悩める女性の駆け込み寺「女性外来」って?
女性の悩みに応えてくれる心強い存在
「生理(月経)」という男性にはない機能を持つ女性たち。
お腹の痛みや胸の張りなど、生理による不調を抱えながら、仕事や育児、介護などをがんばっている女性も少なくないでしょう。
そんな女性たちの駆け込み寺となっているのが、昨今注目されている「女性外来」です。
女性外来と一口でいっても、単に産婦人科であったり、女性の医師が診るという意味で用いられていたり、その内容は多種多様ですが、女性のさまざまな悩みに答えてくれる、心強い存在といえるでしょう。
2001年に鹿児島県で誕生した女性専用の外来
日本でこうした女性外来が誕生したのは、今から20年ほど前、2001年のこと。鹿児島県の鹿児島大学第1内科で開設されたのが、最初といわれています。
その後、女性外来は全国に広がっていき、さまざまな医療機関で目にするようになりました。名前は、「女性専用外来」だったり、「レディース外来」などと違ったりもしますが、女性の健康を総合的に診るというところは変わりません。
ではなぜ、産婦人科、あるいは婦人科ではなく、女性外来なのか――。
それは、男性とは違ったとらえ方で、総合的にカラダとココロを診る必要があるからです。
女性をトータルで診る専門外来が必要な理由
女性には男性にはない性周期があり、一生のほとんどをホルモンの働きに左右されます。
もちろん個人差はありますが、若い時期は生理痛(月経痛)や月経不順、PMS(月経前症候群)などに、性成熟期を過ぎると更年期の不定愁訴に悩まされます。
加えて、女性がどんどん社会に参加するようになったことで、これまでにない不調やカラダの問題も出てきていますし、長寿になったことで生じる不調や病気もあります。
ホルモンの影響で生じる不眠、関節の痛み、月経トラブルといった症状を、臓器別の診療科で診るとなると、いくつかの診療科を渡り歩くことになり、たいへんです。
ですから、性差に配慮した医療(性差医療)ができる専門の外来が必要とされているのです。
女性外来では漢方薬が強い味方になることも
女性に多い「カラダ(臓器や器官など)の働きの問題による不調」は、西洋医学的な検査では見つからないこともあり、その場合「少し様子を見ましょう」で終わることも少なくありません。
このようなときに味方になるのが漢方薬です。場合によっては病気やその原因に応じた処方をすることもありますが、多くはその人の抱える症状や不調の程度、その人の体質などを総合的に判断して処方が決まります。
したがって、最初の問診に時間をかけることを謳っている女性外来も少なくありません。不調があるけど、どこで診てもらっていいかわからない…。そんな場合は女性外来で相談してみたらどうでしょう。
全国の女性外来は性差医療情報ネットワーク(http://www.nahw.or.jp/)などで紹介されています。
参考
関東労災病院
https://kantoh.johas.go.jp/column/20210420_9.html
全国の女性外来は性差医療情報ネットワーク
http://www.nahw.or.jp/
健康長寿ネット
https://www.tyojyu.or.jp/net/byouki/fujinkashikkan/joseigairai-seisairyo.html
『ウーマンズヘルス』久米美代子/飯島浩之編著
ご存じですか?
医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)
こちらも参考に!
漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介
https://www.kampo-view.com/clinic医療ライター・山内