家族が要介護!その前に知っておきたい「フレイル」
コロナ禍で深刻化した“フレイル”とは?
最近、超高齢社会のなかで「フレイル」という言葉が注目されています。
フレイルとは、〝加齢によって心身が衰えた状態〟をいい、まさに要介護の一歩前の状態。病気にかかりやすい上、骨などももろくなっているので、ちょっとした転倒でも骨折につながり、死亡率が高まることが知られています。
昨今は高齢者がコロナ禍で外出を控えるようになり、カラダを動かさなくなったり、人との交流の機会が減ったりしています。それによって、心身の衰えが加速し、高齢者の間でフレイルが深刻化しているという指摘も出てきています。これを「コロナフレイル」と呼ぶ人たちもいます。
評価基準でフレイルかどうかを知ろう
では、どんな状態になったらフレイルといえるのでしょうか。
そこで紹介したいのが、「フレイルの評価基準(フレイルハンドブック2022年版)」です。これはフレイルの代表的な状態を表していて、これらに1つか2つ当てはまったら、フレイルの前段階である「プレフレイル」、3つ以上であれば「フレイル」と診断されます。
<フレイルの評価基準>
・体重減少…意図せず、6か月で2㎏以上の体重減少がある
・筋力の低下…握力が男性は28㎏未満、女性は18㎏未満
・疲労感…ここ2週間わけもなく疲れたような感じがする
・歩行速度の低下…前に比べて歩くのが遅くなったと感じる
・身体活動量の低下…「軽い運動・体操」「定期的な運動・スポーツ」のいずれもしていない
※該当項目が1~2個でプレフレイル、3個以上でフレイルと診断されます
このほか、両手の人差し指と親指で輪っかをつくり、利き足の太ももの一番太いところにあてます。輪っかと足の間にすき間ができるようなら筋肉量が少なく、フレイルの可能性が高いといえます。
適切な対策を取れば健康を取り戻せる
フレイルは病名でなく、健康と介護が必要になる時期の「中間」を示す概念です。上の評価基準でフレイルに当てはまったからといって、即、要介護になるわけではありません。
大事なのは、現状を知ってすぐに対策をとることです。
適切な予防ができれば、フレイルの進行を食い止められますし、さらには健康を取り戻すことも可能です。年齢には抗えませんが、健やかに老いていくことができるのです。
そのためには、まず日常生活(食事、運動、生活リズム)を見直すことが大事で、さらに家族の協力や地域のサポートも欠かせません。
家族にはいつまでも元気でいてもらいたい
こうしたフレイルについてわかりやすく解説した、『漢方ビュー』の姉妹サイト『フレイルを知って健康長寿』が先日オープンしました。
フレイルのチェックリストや改善法、予防、フレイルを防ぐ栄養やレシピ、漢方薬の役割などが紹介されていますので、ぜひチェックしてみてください。
大切な家族には元気で長生きしてもらいたい――、それは誰もが思うことです。
だからこそ、若い人たちも「自分にはまだ関係ないこと」と考えず、フレイルについてきちんと理解しておくことが大事です。
ご存じですか?
医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)
こちらも参考に!
漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介
https://www.kampo-view.com/clinic医療ライター・山内