知っておきたい!10人に1人が持っている胆石の対策とは
年々増加しているという、胆のうや胆管にまつわる病気。
例えば、よく耳にする「胆石」については、今や10人に1人が持っているといわれています。
ですが、検診で胆石が発見されたとしても、自覚症状が無いからといって、そのまま放置している人が多いのも現状です。今では、さまざまな治療法がありますが、再発率が高い病気のひとつなので、しっかりと対処したいところです。
そこで、今回は薬剤師である筆者が胆石症と漢方の関係について解説します。
胆のうの働きと胆石症について
胆のうは、肝臓の右下に位置していて、肝臓と十二指腸に胆管によってつながっており、主に脂肪分の消化を助ける消化液(胆汁)を溜めておく働きをしています。
仕組みとしては、肝臓で作られた胆汁が胆のうに蓄えられ、凝縮され、食事のときに胆管を通じて十二指腸まで流れていきます。同時に、胆のうは伸びたり縮んだりして、胆のう内の洗浄も行っています。
これらの働きが不十分なときにできるとされている塊(胆汁の成分が結晶化したもの)が、胆石です。
そして、胆石が原因となって痛みや発熱などさまざまな症状を引き起こす病気の総称を、胆石症といいます。
胆石は胆のうの中を自由に動くことができますが、胆のうの伸縮によって、出口で詰まってしまうと痛みを感じさせます。その時に生じる、みぞおち付近の上腹部の腹痛を胆石発作といいます。
また、小さい胆石の場合、総胆管まで流れてしまい炎症を起こしてしまうこともあります。
胆石症は大きく2つの種類に分けられる
胆石症は、以前まで女性に多いとされていましたが、肥満やアルコールの過剰摂取などの要因が加わり、男性にも増えてきました。
胆石症には大きく2つの種類があり、胆のうにできるものを「胆のう結石症」、胆管にできるものを「胆管結石症(肝内結石症、総胆管結石症)」といいます。
割合でいうと、8割が胆のう結石症、2割が胆管結石症といわれています。
胆石症対策とは
胆石症の対策としては、規則正しい食事をとること、脂質の摂り過ぎを避ける、ビタミンCや食物繊維の多い食材を摂ること、体重のコントロールをすること、睡眠をしっかりとることなど、基本的なことを心がけることが大事とされています。
また、それらに加えて胆石症に伴う諸症状やカラダの不調には、漢方薬も助けになってくれる場合もあります。
例えば、柴胡(さいこ)や大黄(だいおう)といった生薬が含まれている「大柴胡湯(だいさいことう)」のほか、「柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)」、「四逆散(しぎゃくさん)」などの漢方薬で対策を取ることもあります。
体質や症状の具合によって、処方される漢方薬や対処法は異なるので、薬物治療としての対策を取りたいと考えている人は、漢方に詳しい医師や薬剤師に相談してみるとよいでしょう。
補足として、ストレスにより胆石症が発症する場合もあるので、合わせてストレス対策を行うことも効果的です。
ご存じですか?
医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)
こちらも参考に!
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https://www.kampo-view.com/clinic薬剤師・大久保 愛