漢方ビュー通信

「朝食抜き」していませんか?朝ご飯が大事な理由

「朝食抜き」していませんか?朝ご飯が大事な理由

朝食を「毎日食べる人」はどのくらいいるのか?

突然ですが、皆さんは朝食をきちんととっていますか? 最近行われたある調査によると、朝食を毎日食べている人は全世代で6割ほどにのぼる一方、20代では4割ほどでした。 この調査より少し前になりますが、農林水産省が実施した「食育に関する意識調査報告書(平成30年3月)」をみていきたいと思います。

この調査は、20歳以上の人を対象に平成29年11月23日~12月17日の間、調査員による個別面接聴取によって行われたもの。3,000人中約1,800人が回答しています。 その結果、ふだん朝食を食べるか聞いたところ、「ほとんど毎日食べる」と回答した人の割合が83.5%、「週に4~5日」が4.2%、「週に2~3日」が4.1%、「ほとんど食べない」が8.2%でした。

若い世代で朝食抜きが顕著に

若い世代で朝食抜きが顕著に

性別で比較すると、両者とも8割以上の人が「ほとんど毎日食べる」と回答。女性のほうがやや高い傾向にありました。 年代・性別でみていくと、もっとも高かったのが、70代の女性で97.2%、それに70代の男性(94.9%)、60代の男性(92.0%)が続きます。これに対して、もっとも低かったのが30代の男性と20代の女性で、ともに58.2%。続いて、20代の男性(60.3%)、40代の男性(69.0%)…となっています。

「ほとんど食べない」をみると、1位が40代男性で22.8%、2位が20代男性の20.7%、3位が30代男性の17.6%と、男性が続きます。女性で「ほとんど食べない」割合が高かった年代は20代で、15.2%でした。

「朝、食欲があること」がポイント

調査では、ふだん朝食を「週に4~5日食べる」「週2~3日食べる」「ほとんど食べない」の3グループに分けて、朝食を食べるために必要なことを聞いています(複数回答)。

その結果、もっとも多かったのは「朝、食欲があること」で42.7%。次が「朝早く起きられること」で40.3%、3番目が「朝食を食べる習慣があること」で38.3%でした。

以下、「自分で朝食を用意する時間があること」(37.3%)、「自分で朝食を用意する手間がかからないこと」(32.2%)、「夜遅くまで残業するなど労働時間や環境に無理がないこと」(17.6%)といった順番になっています。 さらに男性は手軽に食べられる方法を重視し、女性は自分で用意する時間があることを重視する傾向があることも、わかりました。

朝食をとるメリットは大きく3つ

脳は“ブドウ糖”をエネルギー源にしています。朝食で炭水化物・糖質からブドウ糖をとることで、エネルギー源がしっかり供給されて、脳やカラダがしっかり目覚めます。 また、体内リズムの観点からも朝食は大事。体内リズムというと「朝、しっかり日の光を浴びる」ことで体内リズムがリセットされることは知られていますが、じつは、朝食をとることでも体内リズムが整うことがわかっています。

また朝、しっかり胃腸を働かせることで、排便のリズムも一定になります。 朝食を美味しく食べるためには「夕食を軽めにし、遅い時間にとらない」ことが大切。夕食が遅くなったときは軽めにし、消化のよいものを食べるようにしましょう。 貝原益軒(江戸時代の本草学者、儒学者)の『養生訓』にも、「夕食は朝食よりも少なめにする」ことが大切と書かれています。

今は、まだまだ日の出の時間が遅く、日の入りが早い時期。気温も寒く、太陽の光も弱いので、睡眠の質も低下しやすいことが考えられます。そのような環境下で、朝食をしっかりとることはなかなか難しいかもしれませんが、気持ちよく朝のスタートが切れるような生活リズムを目指してみましょう。また、不眠症に効果のある「加味逍遙散(かみしょうようさん)」や「抑肝散(よくかんさん)」などの漢方薬もあるので、医師・薬剤師に相談して活用しながら、朝食を大事に健やかな毎日を過ごしましょう。

漢方入門!漢方薬の名前に隠された秘密を解説
<参照>

農林水産省「食育に関する意識調査報告書(平成30年3月)」
https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/ishiki/h30/index.html

農林水産省 子どもの食育
https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/kodomo_navi/oneday/morning1.html

健康長寿ネット 養生訓
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/rouka-yobou/yojokun.html

ご存じですか?

医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)

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Jan 31 2023

医療ライター・山内

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