漢方ビュー通信

花粉症を乗り越えるカギは自律神経のバランスだった!?

日本気象協会も注意を呼びかけるレベル

2023年の“花粉動向”。
1月20日の「漢方ビュー通信」で示したとおり、日本気象協会は「2022年6月に『高温・多照・少雨』となり、スギの花芽形成に好条件となった」、「2021~2022年に花粉飛散量が少なかった地域が多く、スギの木に花芽を形成させるエネルギーが蓄えられている」としています。

飛散開始時期は例年通りで、2月に入ると西の方から徐々に飛散が始まり、本格的な花粉シーズンに突入します。
同協会は、「九州から東北にかけて前シーズンより飛散量は多く、特に四国、近畿、東海、関東甲信では非常に多く飛ぶ見込みです。前シーズンは症状が弱かった方も、万全な花粉症対策が必要になりそうです」と注意を呼びかけています。

自律神経が花粉症の症状に左右する?

花粉症の症状を左右するのは“花粉の量だけではない”ということを知っていましたか?
じつは、「自律神経」も大きく関わっているのです。

自律神経とはカラダの機能を調整する神経で、活動モードになるときに優位になる交感神経と、リラックスモードになるときに優位になる副交感神経があります。
両者はシーソーのようにバランスをとりながら、カラダの調節を図っていますが、このうち、副交感神経が優位になると、花粉症の症状が出やすいというのです。

実際、血管運動性鼻炎では、副交感神経が優位になることで粘膜内の血管が拡張して鼻が詰まりやすくなり、また分泌物も多く産生されるために鼻水も増えます。

運動が花粉症を軽くする?その方法は

交感神経をうまく働かせる方法のひとつが、運動です。
しかし、花粉症の人にとって、この時期は屋外での運動はなかなか難しいでしょう。運動用のマスクや花粉予防のメガネなどで対策をとっていたとしても、やはり花粉による影響は避けて通れません。

その場合は、水泳やアクアエクササイズといったプールでの運動や、ジムでの運動、あるいは自宅でできる「宅トレ」などがお勧めです。
それでも屋外で運動をしたい!という場合は、飛散量が少ない時間帯を狙いましょう。
ウェザーニュースなどによれば、最も少ないのは朝~午前の早い時間といわれているので、早朝に運動をするといいかもしれません。一方で、午後イチ(12時ぐらいから14時ぐらい)は最も花粉が飛散するタイミングなので、避けましょう。

自律神経のバランスを整えるのも重要

花粉症対策では交感神経に注目することも大事ですが、じつは自律神経のバランスを整えるということにも注視したいところ。
バランスが乱れることで、花粉症の症状が悪化することが知られているからです。

規則正しい生活をして、ストレスをなるべく溜めないようにする、睡眠をしっかりとる、栄養バランスのよい食事を心がける、適度に運動する…といった基本的な生活習慣の改善が、花粉症対策でも有効です。
お風呂は40℃ぐらいのぬるめの湯に10~15分間、半身浴ではなく、肩まで浸かるのがお勧め。好きな入浴剤を入れて入浴タイムを楽しめば、ストレス解消にもなります。

また、以前の記事でも解説したように、花粉症治療の選択肢として漢方薬もありますので、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

漢方入門!漢方薬の名前に隠された秘密を解説
<参照>

日本気象協会 tenki.jp
https://tenki.jp/pollen/expectation/

ご存じですか?

医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)

こちらも参考に!

漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介

https://www.kampo-view.com/clinic
Feb 15 2023

医療ライター・山内

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