あなたの「漢方薬」のイメージ、正しいですか?
「漢方薬」のイメージとして、「すぐに効かない」、「長期間服用しなければならない」などのイメージを持つ方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
じつは、漢方薬には飲んですぐ効くタイプと、飲み続けることで効いてくる、2つのタイプがあります。
今回は、薬剤師である筆者がそれぞれのタイプの漢方薬を3つ厳選してご紹介したいと思います。
効きめが速い漢方薬3つ
今からご紹介する3つの漢方薬は、ほんの一例ですが比較的、使用頻度が高いものを厳選しました。知っておくと非常に便利ですのでチェックしてみてくださいね。
1:芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)
足がつった状態の「こむら返り」に使うことがあります。
ゴルフや山登りなど、久しぶりに運動するときや寝ている時に足をつってしまう人に
有効です。頓服でも使用することができます。
2:安中散(あんちゅうさん)
胃痛や腹痛があったり、胸やけや胃もたれがあるときに使います。
冷えてお腹が痛いとき、食前、食後どちらの不調にもオススメできます。
3:麻黄湯(まおうとう)
風邪のひき始めで寒気を感じたり、節々が痛いときに使います。
漢方薬は高いというイメージもあるかもしれません。しかし、漢方薬も西洋医学のお薬と一緒で、健康保険が適応となるものがほとんどです。その際、医師に相談することで自分に合った漢方薬を処方してもらうことが大事です。
ゆっくり時間をかけて効く漢方薬3つ
継続して飲み続けることで、効果を感じる漢方薬の例をご紹介します。
1:六味丸(ろくみがん)
頻尿や残尿感、排尿困難、むくみ、かゆみなどがあるときに使います。
2:牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)
四肢が冷えやすく、むくみ、耳鳴り、腰痛などを感じるときに使います。
3;八味地黄丸(はちみじおうがん)
高齢者の目のかすみや腰痛、しびれなどを感じるときに使います。
漢方薬は、バリエーション(変化、振り幅など)により、非常に多様・多彩です。
その時々の体調で、自分に合った処方薬も変化します。つまり、体質や症状に合った
ものでないと、十分に効果を発揮することができません。
不調がある時は、漢方に詳しい医師による漢方的な診断法※を用いて、都度合った漢方薬を選んでもらいましょう。
※漢方の診察では、独自の「四診」と呼ばれる方法がとられます。一見、ご自身の症状とはあまり関係ないように思われることを問診で尋ねたり、お腹や舌、脈を診たりすることがありますが、これも病気の原因を探るために必要な診察です。
すべての医師がこの診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。
ご存じですか?
医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)
薬剤師・大久保 愛