漢方ビュー通信

忘新年会シーズン到来!あなたの肝臓だいじょうぶ??

忘新年会シーズン到来!あなたの肝臓だいじょうぶ??

暴飲暴食が続いて、肝臓が悲鳴!

クリスマスパーティーのお誘い、忘年会や新年会の計画…。気がついたら年末年始のことを考える時期になりました。
この時期はどうしても、暴飲暴食が増えてしまうもの。そんなときにちょっと気にしたいのは、あの臓器の健康。そう、「肝臓」です!
暴飲暴食が続いて肝臓が悲鳴をあげる…といったことにならないように、しっかりと対策をとっておきましょう。

女性は男性よりも早く肝臓を痛めやすい

女性は男性よりも早く肝臓を痛めやすい

肝臓はご存知の通り、“沈黙の臓器”。
成人になると、重さが1.2kg〜1.5kgもあるカラダの中で最大の臓器です。栄養素を分解してエネルギーに変える「代謝」、アルコールなどの毒物を分解する「解毒」、脂肪やたんぱく質を消化する「胆汁の分泌」という3つの大切な役割を持っています。
一般的にアルコールを処理する能力は、「100~140mg/体重(kg)/時間」といわれていて、体重50kgの人が日本酒を1合飲むと、分解するまでに4~5時間かかるそう。
とくに女性は男性に比べてアルコールの処理能力が小さく、男性よりも早く肝臓を痛めやすいのだそうです。(個人差はあります)
女性も社会に出るようになり、お酒を楽しむ機会が増えましたが、男性と同じようにたくさんのお酒を一度に飲むのは、アルコール性肝障害のリスクを高めるため、飲み方を工夫したり、なるべく控え目にした方がよいでしょう。

お酒を飲まない人に忍び寄る脂肪肝「NASH」

お酒を飲まない人に忍び寄る脂肪肝「NASH」

“わたしはお酒を(ほとんど)飲まないから、肝臓は大丈夫!”
そんな女性も少なくないと思います。ところが、じつはお酒を飲まない人も、肝臓の健康を損ねる危険性があることを知っていましたか?
それが、お酒を飲まない人の脂肪肝「NASH(ナッシュ:非アルコール性脂肪肝炎)」です。
脂肪肝は肝臓のなかに脂肪を溜めこんだ状態、いうなれば“フォアグラ”。
本来はお酒を飲む人に多い病気ですが、じつは最近になって、肥満や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病がある人にも起こりやすいことが分かってきました。
しかも、NASHは肝硬変や肝がんに進行するリスクが、一般的な脂肪肝よりも高いことも分かっています。

肝臓をいたわるため、守りたいこと

NASHかどうかは、医療機関で検査を受けることでわかります。
健康診断の際、お酒を飲まないにもかかわらず肝臓の数値に異常があった場合は、消化器内科などで診てもらったほうがよいでしょう。
そして何より大事なのは、NASHの予防
外食する機会が増える年末年始は、とくに次の3つを心がけましょう。

  1. 炭水化物や甘いもの、脂っぽいものは控えめにする
  2. 緑黄色野菜や食物繊維が豊富なキノコ類・海藻類をしっかり摂る
  3. 有酸素運動と筋力トレーニングをする

とくに、筋力トレーニングは筋肉が増えると肝臓に蓄えられた脂肪が代謝されやすくなるため、オススメです。

肝臓をいたわるため、守りたいこと
年末年始まであと少し。お仕事やプライベートも忙しくなる時期ではありますが、楽しく美味しく過ごすために、ふだんの生活習慣を見直す時間も設けてみてはいかがでしょうか。

参照

MSDマニュアル
http://www.msdmanuals.com/ja-jp/
国立国際医療研究センター「肝炎情報センター」
http://www.kanen.ncgm.go.jp/cont/010/shibousei.html

Nov 28 2017

医療ライター・山内

関連コンテンツ