漢方ビュー通信

舌で判る!?血行不良のチェックと対処法!

舌で判る!?血行不良のチェックと対処法!

寒くなると、血管が収縮するため“血行不良”を感じる人も多いのではないでしょうか。
血行が悪くなると手足の末端が冷えたり、肩こりの悪化頭痛を起こしやすくなったりと良いことはありません。

今回は薬剤師である筆者が、血行不良を簡単にチェックする方法と対処方法を紹介します。

舌診(ぜっしん)でチェック

漢方医学の考え方では、体調を診断するときに見た目からの情報も大切にします。
その中でも診断に役立つのが、舌の状態をみる「舌診(ぜっしん)」です。
正常な舌はピンク色でふっくらしていて、適度に湿っている状態です。また、舌に付着する白い苔状の「舌苔(ぜったい)」が薄く付着しており、舌の裏側にある舌下静脈は目に見えないか薄っすら青く見える程度です。その時に、舌の裏に流れている二本の舌下静脈が、青っぽく3ミリくらいの太さに見える場合があります。この状態を漢方医学では「瘀血(おけつ)」と呼び、血行不良があると考えています。

血行不良を感じたら温めるべき3カ所

舌をチェックしたときに、裏側の静脈が太いと感じたら血行不良の疑いがあります。その場合、次の3カ所を温めてみましょう。

1)みぞおちの付近

血行不良を感じたら温めるべき3カ所「みぞおちの付近」

みぞおち付近には“腹部大動脈”という大きな血管があります。ここを温めることによって、温かい血液が全身をめぐり血行の改善につながります。みぞおちを手でさすったり、カイロを貼るなどして温めてあげるのがオススメです。

2)ふくらはぎの付近

血行不良を感じたら温めるべき3カ所「ふくらはぎの付近」

血液は心臓を出発して足までたどり着くと、重力に逆らって再び心臓まで戻って来なければなりません。しかし足の筋肉が弱いと、血液が心臓まで戻ってくる力が足りないため、血行が悪くなりやすくなってしまいます。手を使って、足首から膝に向かってふくらはぎを温めながら揉みほぐしてあげると、血行不良の改善につながります。

3)耳の付近

血行不良を感じたら温めるべき3カ所「耳の付近」

耳には太い血管がなく、冷えやすい部分で血行も悪くなりやすい箇所です。また、耳にはリンパ腺やカラダの血行を改善するツボなどもたくさん存在します。耳を両手で温めながら、揉みほぐしてあげると血行不良の改善につながります。

血行不良には漢方もおすすめ

血行不良”はさまざまな症状を引き起こします。
冷え症(冷え性)、肩こり、頭痛などの複数の自覚症状があるときは、漢方薬では一つの薬で幅広く対応できる場合が多くオススメです。気になる方は医療機関に相談してみましょう。


今回紹介した血行改善法はいずれもそれほど時間がかからないものなので、日頃から習慣づけて、カラダに不調を抱える前にぜひ試してみてくださいね。

ご存じですか?

医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)

Jan 26 2018

薬剤師・大久保 愛

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