お腹の弱い人は食中毒に要注意!
みんなと同じものを食べたはずなのに、自分だけお腹をこわしてしまった!という経験をしたことはありませんか?
この時期、よく耳にする「食中毒」はそんな人が要注意なのです。
今回は薬剤師である筆者が、この食中毒の原因となりやすいタイプの人について解説します。
食中毒の原因
食中毒とは、細菌やウイルス、有害物質などがついた食べ物を食べることによって、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、発熱などの症状が出る病気のことです。
食中毒の原因によって、症状が発症するまでの時間はさまざまです。
そして、高温多湿の季節は全般的に細菌の繁殖が盛んになるので、食中毒がいつもより身近な存在となります。
鮮度が悪いものなど、食中毒の原因となるものを一人だけたくさん食べてしまった場合、食中毒にかかる確率が高くなることは十分考えられます。
ただし、それ以外にも食中毒の発症には、個人差が生じる場合があります。
食中毒になりやすいタイプは?
食中毒は特に避けたい病気ですが、なりやすいタイプの人がいるのも事実です。
当てはまる特徴がないか確認してみましょう。
<胃酸の分泌が少ない>
食中毒の原因となる菌などを撃退するためには、まず胃酸が働きます。
したがって、胃酸の分泌が少ない人は、細菌感染が起こりやすくなります。
胃の不調といえば胃酸過多に注目されがちですが、逆に胃酸の分泌が少ないというのも
気をつけなければなりません。
胃酸の分泌が低下する原因として、低胃酸状態で制酸剤の胃薬を服用する、老化、ストレスなどが挙げられます。
また、胃酸が少ないと、食べたものが未消化のまま腸まで送られるため、慢性的な腸内環境の悪化にも繋がってしまいます。
胃酸の分泌が少ない人の特徴として、肉を食べると胃もたれしやすいことなどがあります。
<腸内環境が悪い>
腸内には、大きく分けると善玉菌、悪玉菌、日和見菌(ひよりみきん)が存在します。
これらが良い状態でバランスを保っている場合、細菌感染は起こりにくいのですが、悪玉菌が多い状況では、細菌の増殖が起こりやすくなってしまいます。
便秘や下痢、お腹の張りなどを感じやすい人は、腸内環境が悪化しているかもしれません。
<ストレスや体調不良による免疫の低下>
ストレスが過剰にかかっていたり、過労や体調不良を起こしている時には免疫が低下しやすくなっています。
すると、菌など食中毒の原因を退治することができず、食中毒が起こりやすい状態になっている可能性があります。
高温多湿の季節は、食中毒を起こしやすくなります。
原因となる細菌やウイルス、有害物質は残念ながら目で確認することはできません。他の人よりもお腹の調子がよくないと感じている人は、生ものや賞味期限が近いものを避けるなどして注意することも必要です。
また、日頃から胃腸のケアも心がけて、食中毒から身を守りましょう。
薬剤師・大久保 愛