漢方ビュー通信

この時期は気をつけて!お弁当に潜むこんなキケン

作り置きするお弁当は食中毒のリスク大!

最近のお弁当ブームもあって、朝早く起きてお弁当をつくっている人も多いのではないでしょうか。
でも、ちょっと待って!高温多湿になるこれからの時期は、とくに「食中毒」に注意が必要。作り置きするお弁当は特にリスクが高くなるので、気をつけなければなりません。
今回は、「食品安全委員会」の資料などをもとに、注意点などを紹介しましょう!

患者数は2万人以上!これからは“細菌性”が多発

患者数は2万人以上!これからは“細菌性”が多発

厚生労働省の報告によると、2015年の1年間で、食中毒にかかった人は2万3000人弱。これは医師が診断した分の統計だけなので、実際に食中毒にかかった人はもっと多いと思われます。
冬はウイルス性の食中毒が多い一方、これからの季節は、「細菌(サルモネラ菌、カンピロバクター菌、腸炎ビブリオ菌、黄色ブドウ球菌など)」による食中毒が増えてきます。
症状は細菌によっても異なりますが、激しい腹痛、下痢、おう吐、発熱、倦怠感、頭痛など。潜伏期間を経て発症することが多いようです。

<厚生労働省>食中毒統計資料参照
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/04.html#j4-2

お弁当を食中毒から守る「3原則」はこれ!

お弁当を食中毒から守る「3原則」はこれ!

食中毒をもたらす細菌からお弁当を守るために大事なのは、「つけない」「増やさない」「やっつける」という3原則。

  1. つけない」 ・・・食中毒の原因菌を食品、食材につけないこと
  2. 増やさない」・・・食品や食材で原因菌を増やさないこと
  3. やっつける」・・・菌を殺菌すること

具体的に見ていくと、お弁当をつくる前は、爪の間や指の股、手首なども含めてしっかり手を洗うこと。目安は石けんをつけて30秒以上の手洗い
調理中でも、魚や肉を扱ったあとやスマホなどを触ったあとは、手洗いが必須です。
弁当箱もしっかり洗浄を。パッキンも外して洗いましょう。耐熱性のある弁当箱であれば、熱湯をかけて殺菌をします。
あとは、清潔な場所に伏せて自然乾燥をさせるか、清潔なペーパータオルで拭き取ります。
つめるときや、保管するときも一工夫を
お弁当の具の定番、ハンバーグや唐揚げ、卵焼きなどは、十分加熱し、しっかり冷ましてから詰めること。
ほとんどの食中毒菌は中心温度75度で1分以上の加熱で死滅するそうですが、温かいまま詰めてしまうと、生き残った菌が繁殖してしまうキケンも。「加熱+冷ます」という手間が必要で、冷まし終えたらフタをします。
盛り付けるときは手ではなく、箸やラップなどを使うこと。汁気はしっかり切ります。なお、抗菌が期待されるという、梅干しやカラシ、ワサビ(いずれもチューブのもの)は、抗菌作用がなく、梅干しも塩気の強いものが周囲だけ抗菌されるものの、お弁当全体まで行き渡らないことが、実験で確かめられています。
ランチタイムまでは、できるだけ涼しい場所で保管。少しでもニオイがおかしいなと思ったときは、せっかくのお弁当でも食べることをやめましょう。

こちらも参考に!

<農林水産省>
さらば食中毒!お弁当づくりの知恵
http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/foodpoisoning/lunchbox.html

<厚生労働省>
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/saikin.html

May 30 2017

医療ライター・山内

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