漢方ビュー通信

原因が分からない微熱…その対処法は

原因が分からない微熱…その対処法は

風邪は引いていないと思うのに、微熱が続く…
少し疲れたなと感じた時に、熱っぽく感じる…

こんな時、どうすればいいのか、正しい対処法が分からない、と悩んでいる人はいらっしゃいませんか。

今回は薬剤師である筆者が、“原因が分からない微熱”の対策について解説します。

謎の微熱の原因はさまざま

謎の微熱の原因はさまざま

微熱が続いたり、風邪でもないのに熱っぽい症状が出ている時の原因として、考えられることはさまざまです。
まずは、大きく3つの原因を説明します。

1)ストレスや寝不足

過度のストレスや寝不足が慢性化すると、発熱することがあります。
このような発熱を「心因性発熱」と呼び、子どもから高齢者まで、幅広い年齢層で実感することがあります。
これは、ストレス寝不足が自律神経を乱し、交感神経が過剰に働くことで招くとされています。
またこの場合、炎症による発熱ではないので、解熱鎮痛剤などでは効果が期待できないことが多いです。

2)慢性疲労症候群

「慢性疲労症候群」は、診断が難しく原因不明の症状に分類されることが多いです。
生活に支障をきたすような疲労が長期間続いたり、免疫系や神経系の防御反応の低下などが考えられます。また、子どもの頃に感染し、潜伏していた可能性のある「EBウイルス」や「エンテロウイルス」が再活性し、発熱の原因となることもあります。
カラダが元気な状態では悪さをしないウイルスですが、弱っている時には影響を受けてしまいます。

3)鉄欠乏性貧血

貧血は若い女性に多い症状かと思いきや、中高年そして男性でも陥ることがある病気です。微熱とともに、疲れやすい強い眠気イライラ目の乾燥息切れなどの症状を感じる人は「鉄欠乏性貧血」かもしれません。
じつは、貧血の症状のひとつに“微熱”もあるので覚えておきましょう。

その他の微熱の原因として、ホルモン系の疾患である「甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)」やリウマチ性疾患の「膠原病(こうげんびょう)」、また感染症、うつ病、悪性腫瘍、寄生虫疾患などさまざまな可能性が考えられます。

原因不明の微熱には漢方がオススメ

原因不明の微熱には漢方がオススメ

前項で、想定される微熱の原因を解説しましたが、検査をしても結局、原因不明なケースが多いのが現状です。
そのような時は、漢方医学の考え方がオススメです。
漢方医学では、病名を特定できなくとも、体感している症状を分析してその人に合った漢方薬を選定し、不快な症状を緩和していきます。
もし、微熱が続いたり、気になることがあれば、漢方に詳しい医師による漢方的な診断法※を用いて、都度自分に合った漢方薬を選んでもらいましょう。

※漢方の診察では、独自の「四診」と呼ばれる方法がとられます。一見、ご自身の症状とはあまり関係ないように思われることを問診で尋ねたり、お腹や舌、脈を診たりすることがありますが、これも病気の原因を探るために必要な診察です。
すべての医師がこの診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。

ご存じですか?

医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)

こちらも参考に!

漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介
https://www.kampo-view.com/search.html

Oct 10 2018

薬剤師・大久保 愛

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