漢方ビュー通信

鼻や喉の不快感、もしかして「後鼻漏(こうびろう)」?

鼻や喉の不快感、もしかして「後鼻漏(こうびろう)」?

風邪を引いたときなどに、痰や鼻水が喉の奥に溜まって、その不快感が長く続く症状を経験したことはありませんか。
もしかすると、それは「後鼻漏(こうびろう)」という症状かもしれません。

じつは、この症状で慢性的に悩んでいる人は多いとされています。鼻や喉の不快症状は、呼吸や会話、食事などの日常生活にも影響してしまうので早く治したいと思うもの。

今回は、薬剤師である筆者が、この「後鼻漏」について解説します。

後鼻漏の特徴とは?

人間の鼻の中では、鼻水などの粘液が1日に1〜6リットルほど分泌されています。
これらの粘液は、鼻腔内で気化して呼気の加湿、もしくは喉の奥に送られ、気づかないうちに飲み込んでいます。
ちなみに、粘液を飲み込むことは、鼻や喉を守るカラダの働きなので心配はありません。
しかし、この仕組みが上手に働かなくなると、鼻水の分泌量が増えて鼻の奥に溜まったり喉に炎症を起こしたりします。
これが「後鼻漏(こうびろう)」です。
一度罹ってしまうと、完治するのに時間を要し、また炎症が続くと耳が聞こえにくくなることもあります。

後鼻漏の特徴とは?

それでは、後鼻漏の疑いがないか、以下の症状をチェックしてみましょう。
3つ以上該当する人は、後鼻漏の可能性があります。

鼻が詰まって、頭がぼーっとする

鼻から変な臭いがする

食べ物の味がよくわからない

口臭が気になる

喉に痰が張り付く

仰向けで熟睡できない

痰がよくからむ

咳払いの頻度が多い

鼻水が喉に下がる

後鼻漏の原因は?

それでは、後鼻漏の原因となる事例をいくつか紹介します。

慢性鼻炎や慢性副鼻腔炎(蓄膿症)

化膿性の鼻炎です。鼻水の粘度が高いため喉に残りやすく、不快感を感じやすいです。

アレルギー性鼻炎

アレルギー性の鼻水は、粘度が比較的低いので重症化しにくいです。

老化

老化に伴い鼻粘膜が過敏になります。すると、副交感神経が優位になり、鼻水の分泌量が増加します。誤嚥性肺炎に繋がることもあるので注意が必要です。

その他にも、風邪や上咽頭炎など原因はさまざまです。
後鼻漏の治療は、抗生物質と去痰剤を使うことが多く、それでも改善がみられなければ手術を行うこともあります。

漢方薬もひとつの手段です

だるさや病気とは言えない不調への対策は漢方薬がオススメ

後鼻漏は、子供より大人の方が厄介です。特に、慢性化すると治るまでに時間がかかってしまいます。
前述の通り、後鼻漏の治療は、炎症を取るために西洋薬を用いることもありますが、それ以外に自分でもできるケアとして、マスクの使用や、部屋の湿度を調節することもオススメです。
鼻の粘膜の乾燥を防ぐことが、症状の改善につながるのです。

また、漢方薬の中にも、溜まっている痰の軽減や、化膿・アレルギーの炎症を抑えたり、痰ができにくい体質に導くことができるものもあります。長く悩んでいる人は、一度漢方に詳しい医師や薬剤師に相談してみるのもよいでしょう。

耳鼻科の症状は、頑固に長引いたり、頭痛や耳の閉塞感など他の症状を招いてしまうことがあります。慢性化させないように、不調を感じた時は、その都度対処していきましょう。

ご存じですか?

医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)

こちらも参考に!

漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介
https://www.kampo-view.com/search.html

Dec 4 2018

薬剤師・大久保 愛

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