「口唇ヘルペス」を繰り返している人に知ってほしいこと
唇やその周囲に小さな水ぶくれができる病気、「口唇ヘルペス」をご存知ですか?
一旦できてしまうと、治るまでに時間もかかり気分も憂鬱になってしまいます。
さて、見た目にも気になる口唇ヘルペスですが、今回はどのようにして発症するのか、また対処法や予防法について、薬剤師である筆者が解説します。
日本人の7〜8割が口唇ヘルペス予備軍?
口唇ヘルペスは、ウイルスの一種である「単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1ウイルス)」に感染して発症するものです。
じつは、日本人の7〜8割が感染しており、そのほとんどが無症状であるとされています。
発症するタイミングとしては、皮膚のバリア機能が低下しているときや疲れ、風邪、ストレスなどで免疫力が低下しているときに、保有していたウイルスが活性化することで引き起こります。
したがって、以下のようなときは注意が必要です。
- 風邪をひいて熱がある
- 胃腸の調子が悪い
- ストレスを感じている
- 外気の影響などで唇が乾燥している
- 唇が日焼けをしている
- 疲れている
口唇ヘルペスは、繰り返し発症しやすいともいわれています。日頃からの体調管理が大切です。
口唇ヘルペスの感染経路は?
口唇ヘルペスは、症状が出ている状態だとウイルスを大量に排泄しています。
そのため、抗体を持っていない人や免疫力が低下している人が患部に接触したりすると、感染する率が高くなります。
感染した場合、接触した日から3〜7日の潜伏期間を経て発症します。
口唇ヘルペスの感染に気が付いたら、周囲の人にうつさないよう配慮が必要です。食器やタオル、寝具などの身近で触れるものを清潔にすること、そして手洗いをしっかり行うようにしましょう。
口唇ヘルペスの症状を知り早期の対応を
まずは、単に唇が荒れているのか、それとも口唇ヘルペスなのか、その見極めが大切です。
簡単に分かる両者の違いは、“症状が一箇所にまとまっているか”どうか─
つまり、口唇ヘルペスの場合は、症状が一箇所に集中していることが多いのです。
具体的な症状としては、口の周りにかゆみや熱感、痛みなどの違和感を感じた後、患部が赤く腫れてきます。そして、ウイルスの増殖とともに2〜3日後に水ぶくれができてきます。
この水ぶくれには、大量のウイルスが含まれていることがあるので、むやみに触ったり潰したりしないように注意しましょう。水ぶくれは、口の中や喉、フェイスラインにまで広がることもあり、場合によっては発熱や口内炎、リンパ節が腫れてしまうこともあります。
その後、個人差はありますが、約1週間程度でかさぶたになり自然治癒をしていきます。
とはいえ、口唇ヘルペスは人に感染する病気なので、症状に気づいたらすぐに病院へ行くことをオススメします。
何より、早期の対応によりウイルスの増殖を最小限に防ぐことができるので、症状を悪化させずに治療が行えるケースが多くなるのも理由のひとつです。
口唇ヘルペスは、寒く乾燥した季節、季節の変わり目などに決まって発症する人が多い病気です。
こういった環境の変化によるカラダへの負荷の軽減には、「漢方薬」が非常に役立ちます。
毎回同じタイミングで発症する人は、生活習慣の見直しとともに漢方医や薬剤師に相談をしてみてはいかがでしょうか。
ご存じですか?
医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)
こちらも参考に!
漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介
https://www.kampo-view.com/clinic薬剤師・大久保 愛