漢方ビュー通信

痛くて痒い…しもやけの悩みに漢方薬を!

冬になると、手先や足先などが赤く腫れて痒くなる「しもやけ」。

防寒をしっかりしていても、しもやけを発症してしまう──
対策の仕方が分からない──など、この時期特有の悩みのひとつではないでしょうか。

今回は、薬剤師である筆者が、しもやけのメカニズムとその対策について解説します。

しもやけのできる原因とは?

しもやけとは、寒さや冷えなどからくる血行不良が原因で起こる炎症のことで、手先足先や耳、鼻などカラダの末端に起こりやすいものです。症状としては、赤く腫れて痛みや痒みを伴います。

しもやけの原因は、1日の気温差と皮膚表面の温度とされています。

つまり、私たちのカラダには体温を調節する機能が備わっていますが、「寒さ」と「暖かさ」の刺激が繰り返されると、血管の収縮や拡張が繰り返され、血液の循環に障害が起こってしまいます。
すると、手足などの末端では血行のコントロールがしにくくなり、赤く腫れたり、かゆくなったりという症状が起こってしまうのです。
また、冬の寒い時だけではなく、昼夜の気温差が大きい時にも起こりやすいとされています。

しもやけの発症に個人差があるのは、体質や体調、遺伝なども関係しているといわれています。

しもやけ対策としてできること

しもやけは、末端の血行が悪くなることによって起こるため、血行を改善することが予防につながります。
そこで、しもやけ対策を4つ紹介します。

1)手足が濡れた時はすぐに拭き取るようにする

手を洗った後、汗で蒸れた手袋や靴下をつけたままにするなど、“肌が濡れた状態”で放置しないようにしましょう。
水分が蒸発する時に肌表面の温度を奪うため、カラダを冷やし血管を収縮させてしまう恐れがあります。

2)締め付けの強い靴下や靴を履かないようにする

足先が圧迫されることで血行が悪くなり、しもやけの原因となります。むくみを気にして締め付けの強い靴下を履くことは控えるようにしましょう。

3)ストレッチをする

寒い時は、カラダに力が入りやすくなります。ストレッチ軽い運動をして力んだカラダの緊張を緩めてあげましょう。

4)湯船に浸かってマッサージをする

入浴時、カラダの隅々まで温め、マッサージをすることで血行を改善しましょう。

しもやけには漢方薬を

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漢方医学的にみると、しもやけは「血(けつ)」の不調による「瘀血(おけつ)」の状態といえます。
じつは、漢方薬の中には、カラダを温めたり、血行を改善するものがあります。
毎年しもやけで悩んでいる人は、前述した日々の対策に加え、漢方薬を試してみるのもよいかもしれません。

ただし、漢方薬を使用する際は、自分の体質にあったものを服用することが大切です。
なぜなら、漢方薬は、その人の体質や症状に合ったものでないと、十分に効果を発揮することができないからです。
漢方に詳しい医師・薬剤師に相談し、十分にコミュニケーションを取って自分に合った漢方薬を選んでもらいましょう。

末端の冷えに加え、痛み痒みを伴うしもやけ。
普段から血行を良くする生活を意識して、しもやけのない快適な冬を過ごしたいですね。

ご存じですか?

医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)

こちらも参考に!

漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介
https://www.kampo-view.com/search.html

Feb 8 2019

薬剤師・大久保 愛

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