漢方ビュー通信

乾燥が引き起こす“ドライノーズ”にも要注意!

乾燥が引き起こす“ドライノーズ”にも要注意!

 

ドライアイやドライマウスなどの症状は、以前この「漢方ビュー通信」でも紹介しましたが、今回は鼻の症状──「ドライノーズ」に注目します。

あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、じつは意外と多いこの症状。
この時期、空気が乾燥してくると鼻の中も乾燥した状態になり、ムズムズしたりすることがあります。このような状態を「ドライノーズ」といいますが、そのまま放置しておくとさまざまな症状を引き起こす原因にもなってしまいます。

今回は、薬剤師である筆者が、この季節に注意したいドライノーズについて解説します。

ドライノーズは鼻粘膜が乾燥して起こる

ドライノーズは鼻粘膜が乾燥して起こる

ドライノーズとは、鼻の中の粘膜が乾燥している状態のことをいいます。
鼻の内部を保湿する鼻粘膜には、絨毛によるバリア機能、吸気・呼気の加湿と加温の働きがあります。つまり、鼻粘膜が乾燥すると、バリア機能を低下させるので、ちょっとした刺激にも敏感になり、異常をきたしやすくなってしまうのです。

例えば、少しの温度変化やタバコ・芳香剤の香りの刺激に反応することもありますし、さらには鼻汁がかさぶた状になり、出血や炎症を起こしたりすることもあります。特に、このかさぶたを無理に取り除こうとすると、患部は広範囲に広がり難治化してしまうので注意が必要です。
また、鼻粘膜乾燥によるバリア機能の低下は、感染症にも罹りやすくなるため、喉をはじめ口腔内のさまざまな炎症の原因にもなってしまいます。

このように、鼻内部の乾燥からさまざまな症状を引き起こしてしまうのが、ドライノーズの恐さなのです。

アレルギー治療薬もドライノーズの原因に!?

アレルギー治療薬もドライノーズの原因に!?

ドライノーズが発生する原因として考えられているのが、“乾燥”です。
冬場の空気はただでさえ乾燥している上に、エアコンの効いた部屋で長時間過ごしたり、他にも飛行機や新幹線に乗った時などに発生しやすいとされています。また、アレルギー治療薬(点鼻薬)の使用で発生することもあります。
さて、このアレルギー治療薬(点鼻薬)ですが、風邪やアレルギー症状が出た時に使用する人が多いと思います。しかし、頼り過ぎると、逆に鼻の症状を悪化させてしまうかもしれません。

そもそも、このアレルギー治療薬(点鼻薬)は、鼻の中が充血してむくんだ状態に対して働き、血管を収縮させ鼻の通りを改善するものです。ところが、同時に鼻の粘膜を薄くしてしまう効果もあるため、ドライノーズの原因となってしまうのです。
また、本来、鼻の機能は自律神経によって司られていますが、アレルギー治療薬(点鼻薬)の乱用により、このリズムを乱してしまうこともあります。

ドライノーズの予防として、部屋を加湿することはもちろん、マスクで鼻を直接乾燥させないようにすることが重要です。
その他にも、鼻にできたかさぶたを剥がさないようにすることも、長期化させないポイントです。

鼻の悩み(くしゃみや鼻づまり)を抑えるために、アレルギー治療薬(点鼻薬)を使用することは仕方のないことですが、使い過ぎてしまうと逆効果を招いてしまうこともあります。
そのような時、漢方薬を服用することもオススメです。
漢方薬の中には、くしゃみや鼻づまりの症状を和らげてくれるものがあります。関心のある人は、ぜひ一度、漢方に詳しい医師や医療機関に相談してみてください。

毎年、鼻の症状がツラいと感じている人は、“漢方”というアプローチを加えて対策をとってみてはいかがでしょうか。

ご存じですか?

医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)


こちらも参考に!

漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介

https://www.kampo-view.com/clinic

Mar 1 2019

薬剤師・大久保 愛

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