漢方ビュー通信

「気象病」は自律神経の乱れが原因!?

「気象病」は自律神経の乱れが原因!?

季節の変わり目や、気候の変化によって体調を崩すことは少なくありません。
じつは、これら気象の変化と体調は密接に関係しており、近年注目されています。

気象の変化が、なぜ体調に影響を及ぼすのか──
今回は薬剤師である筆者が、気象と体調の関係、そしてその対策について解説します。

天気の変化と体調の関係について

気象の変化によって、カラダが影響を受ける“気象病”。
例えば、気圧や気温、湿度、日照時間など、さまざまな変化が短期間で起こると、体調不良を感じやすくなります。また、私たちは嫌なことがあると精神的にストレスを感じますが、同じようにカラダも環境の変化に適応しようとするとストレスを感じます。
このカラダが受けるストレスによって自律神経が乱れ、さまざまな体調不良を感じてしまうのです。

特に、季節の変わり目や梅雨などは気候が不安定になりやすいので、カラダも心も不調を感じやすくなります。
そのため、特に今の時期は頭痛やめまい、鬱、神経痛、蕁麻疹などの症状で悩む人が増えるのです。

自律神経のバランスを取るために

自律神経は、内臓や血管などの働きをコントロールし、体内の環境を調整する神経です。
この自律神経は、交感神経と副交感神経がバランスを取りながら働いていますが、ストレスなどの影響で、そのバランスが乱れてしまうことがあります。
その際、優位になるのが交感神経と言われ、冷えやこり、胃腸の不調などの原因になるとされています。
対処法としては乱れたバランスを元に戻すこと。つまり、副交感神経を優位にしてあげることなのですが、じつは、自律神経は自分の意思でコントロールすることはできません。
改善には、“カラダをリラックスさせる”ことが一番ですが、いくつかその方法を紹介します。

漢方で対策

漢方薬

自律神経は、イライラしたり、緊張したりすると交感神経が優位になり、不調をきたす原因となります。
したがって、日常的にストレスを多く感じていると思う人は、ストレスによる諸症状を和らげるような漢方薬を服用することで、自律神経の乱れの緩和になります。
また、自分が苦手とする気候の変化を把握しておくと、事前に対策をとることができます。
例えば、寒暖差に弱い人はカラダを温める漢方薬、湿度に弱い人はカラダの水分代謝を上げる漢方薬などがオススメです。
もちろん、漢方に詳しい医師や薬剤師に相談することが大切です。

カラダを温めて対策

カラダを温めて対策

カラダを温めると、緊張が緩み、副交感神経を優位にしてくれます。
温かいものを飲んだり、お風呂に浸かったりすることで、カラダの中と外の両側から温めることができます。
季節の変わり目や、気圧、気温の変化がある時には、冷たい飲み物をなるべく控えて温かい飲み物を飲むようにしましょう。また、寒暖差が激しい時期には、カラダがその変化についていけず、冷えを感じやすくなります。そのため、我慢できる寒さでも、カイロなどを貼って過ごすのが良いでしょう。

腸内環境を整える

腸内環境を整える

交感神経が優位になると、腸の蠕動運動が鈍くなり、便秘や下痢などを起こしやすくなります。
そこで、腸内環境を整えるような食事を摂ることで、副交感神経を優位にしていきます。
オススメの食材として、野菜やキノコ類、海藻など食物繊維の多いもの、そして発酵食品です。また、よく噛んで食事を摂ると、さらに効果的です。


気象の変化で体調を崩すのはツラいことですが、私たちはその変化と向き合いながら生活していかなければなりません。
気象の変化に左右されないように、日々の生活の中で副交感神経を活発にする工夫をすることが大事です。

今回紹介した方法以外にも、カラダをリラックスさせる手段はたくさんあります。ぜひ自分に合ったリラックス法を見つけてみてくださいね。

ご存じですか?

医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)

こちらも参考に!

漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介
https://www.kampo-view.com/clinic

Mar 25 2019

薬剤師・大久保 愛

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