「三寒四温」 この時期の体調管理方法とは
今年も冬から春に移り変わる時期がやってきましたが、みなさんはしっかりと準備をしていますか?
季節の変わり目ならではの不調──めまいや頭痛、イライラ、生理不順、だるさなどの不定愁訴を感じる人は多く、さらには、免疫の低下による風邪や花粉の症状まで、不安要素が絶えない時期になります。
また、この時期は、寒い日が続いていたかと思うと急に暖かくなったり、気温が安定しない日々を過ごすことも稀ではありません。そのような中で、カラダは少しずつダメージを受けており、耐えていく必要があります。
そこで今回は薬剤師である筆者が、不安定なこの時期の気候に負けず、穏やかな春を迎えるための方法を紹介します。
冬から春への季節変化は体調管理が難しい
寒い日が3日続いたかと思うと、温かく過ごしやすい日が4日続く──
このような日々を繰り返して、だんだん寒い冬から暖かい春に向かっていくような様を「三寒四温(さんかんしおん)」と言います。
季節が冬から春に移り変わるとき、日本の位置的な理由から、高気圧と低気圧が周期的に通り過ぎるため、気圧の変化にともなう寒暖差は避けられません。
したがって、この変化によって体調管理が難しくなるのがこの時期の特徴になります。
三寒四温に起こる体調の変化
寒暖差が厳しくなると、その影響で血圧の上昇やめまい、頭痛、自律神経の乱れなどに加え、時期的にインフルエンザなどの感染症や花粉症などのアレルギーも流行します。
暖かく過ごしやすい季節を迎えるまで、穏やかに過ごすことはなかなか難しそうです。
自然界の一部である人間が、季節の変動に影響されることは、ある程度仕方のないことです。
しかし、少しでもカラダの不調を最低限に止める努力をしていくことは大切です。
この時期の過ごし方
寒暖差が厳しい時期を過ごす際、自律神経を整えること、そして免疫力をつけることがなによりも重要です。
そのために2つのポイントがあるので紹介します。
1)腸内環境を整える
腸内環境の状態が良く、消化管が正常に動くときには、副交感神経が優位に働き自律神経が整いやすくなります。
また、免疫の働きの約7割を「腸」が担っているといわれているので、腸内環境が良好であることは免疫力をつけるために必要不可欠なことなのです。
2)カラダを温める
カラダを温めることでリラックスでき、副交感神経が優位に働き自律神経が整いやすくなります。
また、カラダが温まって血流が良くなると、免疫の働きを担っている血液中の白血球の働きを助けてくれるので、免疫の働きのサポートにもつながります。
つまり、腸内環境を整えておくこと、そしてカラダを温めることは、自律神経を整え、免疫力をつけることにつながるのです。
その他、季節の変わり目特有の自律神経の乱れや風邪などの体調不良には、細やかな対応ができる漢方薬もおすすめです。しかし、“不調”は人それぞれなので、必ず漢方薬に詳しい医師や薬剤師にアドバイスを求めるようにしましょう。
どうしてもこの時期が苦手だなと感じている人は、前述した2つのポイントと併せて、自分に合った漢方薬も活用しながら、この時期を乗り切りましょう。
ご存じですか?
医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)
薬剤師・大久保 愛