「ブーツで水虫」そんなときの対策は?
5人に一人が水虫、10人に一人が爪水虫
ブーツでオシャレが楽しい季節。だからこそ、知っておきたい足の水虫。どうやら最近、若い女性の足水虫が増えているみたいなんです。
足水虫とは正式には「足白癬(はくせん)」といい、れっきとした皮膚の病気。白癬菌という真菌(カビ)によって起こる感染症のひとつです。ちなみに足の爪にできる水虫(爪水虫)は「爪白癬」と呼びます。白癬菌は分かっているだけで40種類以上存在し、そのうち足白癬や爪白癬の原因となるのは10種類ほど。白癬菌はケラチンというタンパク質を栄養源としているため、皮膚の表面にある角層に棲息します。
日本皮膚科学会によると、国内の疫学調査では足白癬は2000万人、爪白癬は1000万人と推測。なんと5人に一人が足白癬、10人に一人が爪白癬にかかっているのです。
気になる足白癬・爪白癬の症状は?
本来、足白癬は靴を履く時間が比較的長い男性に多く、また、靴で足が蒸れる夏場に感染者が増えていました。ところが、最近は女性の社会進出もあって、女性の間でも増えてきているとのこと。女性の場合は、本来なら感染者が増える夏にサンダル履きなどで足を露出していることが多いため、ブーツを履く冬に増える傾向があるようです。
足白癬、爪白癬の主な症状は、次の通り。皆さんは大丈夫ですか?
・かゆみ
・足の裏に小さな水ぶくれができる
・足の指の間の皮がむける
・白くふやける
・ヒビやアカギレのように足の裏全体が硬くなる
・爪が白や黄色に濁って厚くなる
・爪がボロボロになる
履いた後のブーツはしっかり乾燥させて
足白癬、爪白癬で大事なのは、感染を防ぐことです。
白癬菌は高温多湿の環境を好むため、脱衣所の足ふきマットやスリッパなどが温床に。家族に水虫持ちの人がいたら、足ふきマットは別々にして、スリッパなどの共有は避けましょう。もちろん、家族には病気を放置せず、しっかり治療をしてもらうようにしましょう。
温泉や公衆浴場、その他の場所では、なるべくマットやスリッパを使うのは避けたほうがいいですが、使わざるを得ないときもありますよね。そんなときは濡れたタオルで足を拭き取るのが有効。使ったタオルは家庭用の洗剤で洗えば菌はいなくなるので、ご安心を。
1日履いた革靴やブーツは、固く絞った濡れ雑巾で内側を拭いて、しっかりと乾燥させます。長時間を履き続けるときは、ときどき靴を脱いで風を通すといいでしょう。同じ靴を毎日履かず、複数の靴をローテーションさせることも大切です。
皮膚に漢方!?
それでもなってしまったら……。まずは皮膚科の医師や、薬局やドラッグストアにいる薬剤師に相談を。いまは有効な外用薬や内服薬があるので、しっかり使って、しっかり治療をすることが大切です。また、漢方薬の中にも健康保険が適用となっているものがあるので、興味がある方は、医師に相談してみてはどうでしょう。
爪や甘皮、角質のお手入れをする際は、傷口から菌が感染するおそれがあるため、やり過ぎて皮膚に傷を付けないよう注意しましょう。
ご存じですか?
医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)
参考
日本皮膚科学会
https://www.dermatol.or.jp/qa/qa10/index.html
こちらも参考に!
漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介
https://www.kampo-view.com/clinic医療ライター・山内