漢方ビュー通信

1、2月がピーク。インフルエンザの予防と治療法

1、2月がピーク。インフルエンザの予防と治療法

今シーズンの患者数は過去最多

毎年、この時季になると気になるのが、インフルエンザの流行。
国立感染症研究所の報告によると、今シーズン(2019-20年)は過去10年間でもっとも患者数が多く(2019年12月時点)、2019年第51週の定点あたりの患者報告数は105,221人となっています。

インフルエンザのウイルスは感染力がたいへん強く、免疫力が弱い子どもや高齢者では気管支炎や肺炎を併発する危険性も。ストレスや睡眠不足で疲労が蓄積している人も、抵抗力が落ちているので、要注意です。

インフルエンザの流行のピークは、例年、1月下旬から2月上旬。
インフルエンザにかかると自分がつらいだけでなく、周囲の人にうつしてしまう可能性もあります。しっかり対策をとって、予防に努めることが大事です。

そもそもインフルエンザって何?

そもそもインフルエンザって何?

インフルエンザとは、インフルエンザウイルスへの感染が原因で起こる感染症。
ウイルスにはA、B、Cの3つの型があり、毎年、流行が認められるのはA型とB型。今年に関しては今のところ、A型が多くの感染者から見つかっています。

インフルエンザは感染者の咳やくしゃみからうつり(飛沫感染)、感染してから1〜3日ほどの潜伏期間を経て、高熱(38度以上)や頭痛、全身倦怠感、筋肉痛、関節痛などの症状が現れます。そのあたりから、咳や鼻水などの症状も出るようになり、1週間ぐらいで回復していくというのが、典型的なパターンです。
日本では冬に流行しますが、それはウイルスが乾燥や低温の環境に強いためです。

インフルエンザ予防で抑えたいポイント

予防では、「予防接種(インフルエンザワクチン)」と「セルフケア」が大事になります。
まずは、ワクチン。厚生労働省は「12月中旬までにワクチン接種を終えることが望ましい」としています。
ただ、仕事が多忙で受けられなかった人もいるでしょう。そういう場合、心配なら近くの医療機関で相談してみるといいかもしれません。このタイミングでも予防接種したほうがよいと考える医師は少なくありません。

セルフケアでは、「手洗い・うがい(ウイルスが体内に入らないようにする)」、「人混みを避ける(人が多いほど感染リスクが高まる)」、「湿度を保つ(ウイルスは高温多湿を嫌う)」という3点がポイント。

感染予防のためにマスクをする人もいますが、じつはマスクではウイルスの侵入を防げません。ただ、喉を乾燥から防いだり、ウイルスが付いている可能性のある手で口や鼻を触るのを防いだりできるので、感染予防としては一定の効果があると考えられています。

インフルエンザ予防で抑えたいポイント

インフルエンザかも?と思ったら必ず病院へ

インフルエンザの治療薬では、抗インフルエンザウイルス薬が使われます。現在、6種類の薬があり、どの薬を用いるかは医師の判断になります。

一方、漢方薬のなかにも、インフルエンザの効能をもっているものがあり、医師の判断で処方されることがあります。
インフルエンザかもしれないと思ったら早めに医療機関へ。熱が下がっても2日程度は人にうつす可能性があるので、医師の指示を守って外出を控えるようにしましょう。

参照

国立感染症研究所
https://www.niid.go.jp/niid/ja/flu-m/813-idsc/map/130-flu-10year.html
https://www.niid.go.jp/niid/ja/flu-m/1974-idsc/iasr-flu/9147-iasr-influ201920.html

厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou01/houdou_00004.html
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html

Jan 23 2020

医療ライター・山内

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