漢方ビュー通信

効果的な「温活」を薬剤師が伝授

寒い時期にぜひ実践してもらいたいのが、“温活”
カラダが冷えると免疫力の低下や生理痛、肩こり、代謝の低下などを引き起こすとされ、良いことはひとつもありません。

しかし、カラダを温めることに興味はあるし、良いことと知りながらも、実際にどのような方法が効果的なのか分からず、なかなか行動に移すことのできない人は多いと思います。

そこで今回は、薬剤師である筆者が、おすすめしたい温活の方法を6つ紹介します。

温活の効果的な方法6つ

温活の効果的な方法6つ

温活と聞いてまず思いつくのが、カイロを貼るなどして直接カラダを温める方法。そして、冷え対策で腹巻や靴下の重ね履きなどがあります。
どれも間違いではありませんが、それ以外でおすすめしたいのが次の6つになります。

1)深呼吸をする

一見、温活とは関係ないように思えますが、意識すればいつでもどこでもできる方法のひとつです。
唯一自分で自律神経をコントロールすることができるのが、“呼吸”。自律神経の乱れは冷えにつながるので、意識的に深呼吸を取り入れてみましょう。
特に、朝起きた時、ストレスを感じた時、寝る時に深呼吸をするようにしましょう。

2)飲み物を温かいものにする

冷たい飲み物は、カラダの内側から直接全身を冷やしてしまいます。
体温より温かい飲み物をとるように心がけましょう。特に、寝起きに白湯を飲むと、睡眠の時に失われた水分を補充すると同時に、内臓を温め代謝をあげてくれます。

3)首の後ろ、足首、手首、お腹周りを温める

太い血管があり、皮膚が薄く熱が伝わりやすいのが首、足首、手首です。
また、さまざまな臓器が収まっているお腹が冷えてしまうと血流が悪くなり、代謝が下がります。そのため、温めるポイントは、首、足首、手首、お腹の4箇所がおすすめです。

4)下半身の筋肉を鍛える

カラダの7割の筋肉は、下半身にあります。
筋肉量は、基礎代謝に比例します。そのため、基礎代謝を上げ、体温をアップさせるためには下半身の筋トレが効果的です。
つま先立ちで階段を登ったり、テレビを見ながらスクワットをしたりと、下半身の筋肉を意識して鍛えてみましょう。

5)湯船につかる

湯船につかるとカラダが温まるだけではなく、全身に水圧もかかります。
1日の終わりにむくみと冷えを感じやすい人は、湯船につかることで、リンパ液や血液のめぐりが改善して代謝が上がり、体温アップにつながります。

6)漢方薬に頼る

漢方入門!漢方薬の名前に隠された秘密を解説

一般的に、“冷え”に対して西洋医学では治療の対象としていませんが、漢方医学では治療の対象としています。
冷えの原因はさまざまですが、エネルギー不足によって熱が産まれにくくなっていたり、血流が悪くなっているせいで熱が全身に運ばれにくくなっていることなどが考えられます。
生活を見直したり、冷え対策をしているのに、なかなか改善されないという人は、これらの原因を一度漢方に詳しい医師や薬剤師などの専門家に相談するのも良いかもしれません。


日頃からできることが多くあったと思います。
特に、女性にとって冷えは大敵なので、意識しながら日々の生活に取り入れてみてくださいね。

ご存じですか?

医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)

Mar 10 2020

薬剤師・大久保 愛

関連コンテンツ