新生活スタートに備えて、今から始める口臭対策
4割の人が口臭を指摘された経験がある
春になって暖かくなると外で人と会う機会が増えたり、入学や入社などで新しい仲間と出会ったり…。コミュニケーションが必要になる場が広がります。
初対面だからこそ、ちょっと気になるのが「口臭」です。
厚生労働省の平成28年歯科疾患実態調査によると、「口臭がある」と答えた男女は1割程度になります。
同年の日本歯科医師会の調査でも、気になる歯や口のトラブルの3位になっています(1位はものが挟まる、2位が歯の色)。また、4人に1人が「口臭がある」と答えています。
この調査では、口臭が気になった経験があるのは男性より女性の方が多く、男女あわせて約4割が他者から口臭を指摘されたことがあるということでした。その反面、多くの人が「他人の口臭は気になる」と答えています。
口臭の主な原因は生理的口臭など4つ
口臭といってもその原因はさまざま。まとめると以下の4つに分類されています。
口臭の主な原因
生理的口臭
誰にでも生じるもので、起床時や空腹時、緊張時に強くなる。唾液の分泌が減って口腔内に細菌が増殖するために生じる。
病的口臭
歯周病やむし歯などの口腔内トラブルや、副鼻腔炎、糖尿病、肝臓病、呼吸器系の病気、消化器系の病気などによって生じる。病的口臭のほとんどが口腔内トラブルにあるといわれている。
外因的口臭
ニンニクやネギ、アルコールを飲食したり、たばこを吸ったりしたときに生じる。時間の経過とともに消失する。
心因的口臭
ストレスや精神的なもので唾液の量が減って細菌が増殖するために起こる。あるいは口臭がないにもかかわらず、口が臭うと思ってしまっている。
生理的口臭・病的口臭の対策
生理的口臭は誰にでもあるもの。
水分をこまめに補給したり、ガムをかんだりおしゃべりをしたりするなどで唾液の分泌を高めたり、歯磨きなどで細菌を除去したりすることが、このタイプの口臭対策になります。
月経や妊娠によるホルモンバランスの乱れや、加齢などでも口臭が強まることがあります。これも生理的口臭のひとつなので、先の対策をとるようにしましょう。
病的口臭は、原因となる病気にアプローチすることが第一。
とくに病的口臭は口腔内トラブルが原因で生じることがほとんどなので、歯周病やむし歯の治療はしっかりと。歯科の定期検診で歯科衛生士に歯石や歯垢を除去してもらうデンタルケアも有用です。
その際、歯科衛生士に正しいブラッシングの方法を聞いておくとよいでしょう。適切な口腔ケアは、口臭予防はもちろん、原因となる歯周病や虫歯の予防にもつながります。
「舌苔(ぜったい)」が原因で臭いを発することも
口腔ケアで見落としがちなのが、“舌の汚れ”。
じつは近年、舌に付着した汚れが口臭の原因となっていることが指摘されています。
しっかり歯を磨いていても口が臭うという人は、もしかしたらこの舌の汚れが原因になっているかもしれません。
舌の汚れを取る舌磨きについては、オーラルケアのひとつとして舌を掃除するグッズがいろいろ市販されていますが、専門家がすすめているのは、ガーゼを指に巻いて舌の奥についた汚れをかき出すという方法。ガーゼに黄色っぽい汚れがつかなくなるのが目安です。
この舌磨きは、1日1回を目安に行っていくとよいそうです。
外因的口臭は、やはり口臭の原因となるような食べものを控えるのが一番。とはいえ、どうしても食べたいときもありますよね。そういうときは事前に胃腸の状態を整えておくことが大切。
漢方医学の考え方では、胃腸に負担がかかると口臭が出やすいと考えられています。
今から口臭エチケットを身につけ、清々しい春を迎えましょう!
ご存じですか?
医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)
参照
日本口腔外科学会
https://www.jsoms.or.jp/public/soudan/kouku/kousyu/
e-ヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/h-07-001.html
Medical Tribune
https://medical-tribune.co.jp/
医療ライター・山内