漢方ビュー通信

この夏は「新しい生活様式」を取り入れたライフスタイルを

この夏は「新しい生活様式」を取り入れたライフスタイルを

今後を見据えた新しい感染予防策を紹介

世界に大混乱をもたらしている新型コロナウイルスの感染拡大。
日本では緊急事態宣言が明けても、東京など一部の地域では未だ感染者の発生がみられていますが、ピーク時と比べると小康状態と呼べる状態が続いています(6月中旬の時点)。

そんな中、たびたび話題になるのが、「新しい生活様式」です。
これは、5月上旬に専門家会議が示したもので、新型コロナの感染がこれ以上拡大しないよう、今後のことも見据えた新しい暮らし方をしようというコンセプトのもと、「一人ひとりの基本的感染対策」(以下)など、生活様式の実践例を4つに分けて紹介しています。
県をまたぐ移動が始まった今も、この新しい生活様式を守って行動することになっています。

実践例1 <一人ひとりの基本的感染対策>

感染防止の3つの基本:(1)身体的距離の確保、(2)マスクの着用、(3)手洗い

  • 人との間隔は、できるだけ2メートル(最低1メートル)空ける。
  • 会話をする際は、可能な限り真正面を避ける。
  • 外出時や屋内でも会話をするとき、人との間隔が十分とれない場合は、症状がなくても
    マスクを着用する(夏場は、熱中症に十分注意)。
  • 家に帰ったらまず手や顔を洗う。人混みの多い場所に行った後は、できるだけすぐに着替え、シャワーを浴びる。
  • 手洗いは30秒程度かけて、水と石けんでていねいに洗う(手指消毒薬の使用も可)。

換気やソーシャル・ディスタンス、体温測定も

換気やソーシャル・ディスタンス、体温測定も

2番目の「日常生活を営む上での基本的生活様式」では、以前の記事(「今さら聞けない「感染症」について」)で紹介した、マスクによる咳エチケット、手洗い(手指消毒)といった感染対策のほか、換気やソーシャル・ディスタンス、体温測定などが盛り込まれています。

実践例2 <日常生活を営む上での基本的生活様式>

  • まめに手洗い・手指消毒
  • 咳エチケットの徹底
  • こまめに換気(エアコン併用で室温を28度以下に)
  • 身体的距離の確保
  • 「3密(密集、密接、密閉)」の回避
  • 一人ひとりの健康状態に応じた運動や食事、禁煙など、適切な生活習慣の理解・実行
  • 毎朝の体温測定、健康チェック。発熱、または風邪の症状がある場合はムリせず自宅で療養

「距離」と「オンライン」は新たなライフスタイル

「距離」と「オンライン」は新たなライフスタイル

3番目の「日常生活の各場面別の生活様式」で特徴的なのは、人との距離を開けるといった考え方に基づく行動の仕方。これは、新型コロナによる感染で登場した新しい考え方です。

実践例3 <日常生活の各場面別の生活様式>

▼買い物
  • 通販も利用
  • 1人または少人数ですいた時間に
  • 電子決済の利用
  • 計画を立てて素早く済ます
  • サンプルなど展示品への接触は控えめに
  • レジに並ぶときは、前後にスペース
▼娯楽、スポーツ等
  • 公園はすいた時間、場所を選ぶ
  • 筋トレやヨガは、十分に人との間隔をもしくは自宅で動画を活用
  • ジョギングは少人数で
  • すれ違うときは距離をとる
  • 予約制を利用してゆったりと
  • 狭い部屋での長居は無用
  • 歌や応援は、十分な距離かオンライン
▼公共交通機関
  • 会話は控えめに
  • 混んでいる時間帯は避けて
  • 徒歩や自転車利用も併用する
▼食事
  • 持ち帰りや出前、デリバリーも
  • 屋外空間で気持ちよく
  • 大皿は避けて、料理は個々に
  • 対面ではなく、横並びで座る
  • 料理に集中、おしゃべりは控えめに
  • お酌、グラスやお猪口の回し飲みは避けて

働き方も新たなスタイルで

働き方も新たなスタイルで

感染状況の変化を踏まえ、専門家会議の構成員の確認のもと、6月19日に4番目の例が追加されました。業種ごとの感染拡大予防ガイドラインは、関係団体が別途作成しているようです。

実践例4 <働き方の新しいスタイル>

  • テレワークやローテーション勤務
  • 時差通勤でゆったりと
  • オフィスはひろびろと
  • 会議はオンライン
  • 対面での打ち合わせは換気やマスク

従来からの漢方の考え方と共通することも

漢方の考え方

興味深いことに、2番目の<日常生活を営む上での基本的生活様式>をみると、漢方が従来から大事にしていた養生と、共通しているところがあります。
「健康状態に応じた運動や食事」「自分の体調の変化を知ること」「風邪の症状があったらムリせず療養」などです。

昔から実践されてきた生活の知恵が、あらたな感染症に対しても応用できることがわかります。
ココロとカラダの健康を保つこともひとつの感染対策です。
ときに漢方を上手に利用しながら、体調管理に努めましょう。

ご存じですか?

医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)

参照

厚生労働省 新しい生活様式
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_newlifestyle.html
厚生労働省 新型コロナウイルス感染症への対応について(高齢者の皆さまへ)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/yobou/index_00013.html

Jul 3 2020

医療ライター・山内

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