油断禁物!この時期にも起こりやすい肌トラブル
ちょうど季節の変わり目である今の時期、日ごとに朝晩の冷え込みを感じるようになってきました。
朝晩の寒さ対策としては、上から軽く羽織れるものやショールなどを準備したりして工夫されている人も多いと思います。
ところが、寒さ対策以外に見落としがちなのが、“肌対策”。
じつは、この時期でも肌に対する刺激が全くゼロになることはありません──例えば、日中の日差しや汗、エアコンの風、日焼け止めなど。
日焼けやシミなどの悩み以外にもたくさんの肌トラブルが起こる可能性が…
そこで、今回は薬剤師である筆者が、この時期でも安心できない肌トラブルとその対策について解説します。
起こりやすい肌トラブル5つ
それではさっそく、起こりやすい肌トラブルを5つ紹介します。
<汗あれ>
汗の成分には、塩分やアンモニアが含まれています。
これらが皮膚への刺激となり、赤みや強いかゆみを引き起こすことがあります。
通常は、バリア機能が働き炎症を起こすことは少ないのですが、汗の拭きすぎで皮膚を刺激したり、紫外線でダメージを受けていたり、日焼け止めや洗顔などでダメージを受けていると、皮膚のバリア機能が低下し、汗あれが起こる原因になることがあります。
<汗疹(あせも)>
汗疹は、汗を大量にかき、汗腺がつまることで炎症が起こるものです。
首の周りやわきの下、ひじ・ひざの裏など、蒸れやすい部位にできやすく、湿疹やかゆみが起こりますが、たいていは数日で自然と治まります。
<乾燥肌>
冷房や冷たい飲み物でカラダが冷えると血流が悪くなったり、紫外線によって肌のバリア機能が失われたりし、皮膚の新陳代謝が落ち、角質が肥厚してガサガサと乾燥しやすくなります。
また、べたつきが気になり保湿ケアが足りていなかったりすることも影響します。
<光線過敏症>
紫外線に対してアレルギーがある場合、日光を浴びた部分が腫れたり、湿疹ができたりして、痛みやかゆみを伴うことがあります。日光アレルギーと呼ばれることもあるのが光線過敏症です。まれに頭痛や充血、発熱などの症状が起こることもあります。
また、内服薬や外用薬の成分が原因で発症する場合があります。含まれている化学物質に、皮膚を紫外線に対して過敏にする作用があると考えられており、抗生物質や鎮痛薬、降圧剤、利尿薬などのなかに報告があるようです。
<ニキビ・吹き出物>
いまだに暑い日は、皮脂分泌が増え、さらに高温多湿の環境になりやすいです。
そのため、毛穴に皮脂がつまり、アクネ菌が増殖することでニキビや吹き出物ができやすくなります。
肌トラブル対策の基本をおさらい
夏場の肌トラブル対策と根本的に違いはありませんが、油断しないことが何より大事。
少し日差しが落ち着いてきたと感じても、紫外線の量や汗をかく量は多いと思って備えた方がよいでしょう。
基本的な肌トラブル対策を紹介します。
1)紫外線対策
もっとも紫外線が強くなる時間は、10時から14時とされています。
なるべくこの時間の外出は避けた方がよいですが、どうしても外出する際はサングラスや日焼け止め、帽子、日傘などを使って紫外線対策をしましょう。
ちなみに、日焼け止めは2時間おきに塗り直すのが理想です。
2)皮脂を落としすぎない
サッパリしようと何度も洗顔したり、洗浄力の強い洗顔料を使ってゴシゴシ洗うと刺激を与え、角質層に傷をつけたり、皮脂を必要以上に取り除いてしまい、乾燥しやすい肌にしてしまいます。
3)血行をよくする
冷房の影響で、カラダが冷えたり自律神経を乱したりすると、血行が悪くなりがちです。
血行が悪いと、皮膚の新陳代謝も悪くなってしまいます。そんな時には漢方薬に頼るのもおすすめです。血行を改善し、冷えを解消しながら、肌を健康に保つサポートができます。
4)保湿をしっかりする
冷房などの影響で乾燥しやすい状況になっている場合もあります。
汗でベタつきが気になったとしても、きれいに拭き取った後は、保湿を忘れずに行うようにしましょう。
繰り返しにはなりますが、寒さ対策と同時に、肌対策も忘れずに行ってください。
近い将来、そのがんばりが“結果”となって返ってくると思います。
薬剤師・大久保 愛