漢方ビュー通信

この時期のトラブルを乗り越える「冬のアロマ」

この時期のトラブルを乗り越える「冬のアロマ」

リラックス効果だけではない香りの作用

アロマセラピーというと、香りでリラックスとか、ココロを癒やすとか、“ふんわりした”イメージを持っている人が多いのではないでしょうか。もちろんそれも大事ですが、実は、海外では代替医療の一つとして活用されていて、さまざまな病気の治療に役立っています。
アロマセラピーと漢方は、ともに天然のものを材料にしているところ、伝統的に行われてきたところ、最近では科学的な作用についても研究され始めているところなど、さまざまな点で似ています。病気になる前の「未病」に働きかけるのも同じですね。

肌と鼻、2つのルートで香りの成分が脳へ

肌と鼻、2つのルートで香りの成分が脳へ

アロマセラピーの利点は、何といってもカラダの内側と外側からアプローチできるところ。具体的には皮膚からの吸収による作用と、鼻からの吸収によって脳でもたらされる作用があります。
そのメカニズムについて、まず皮膚からの吸収ルートについて説明しましょう。
皮膚は本来、細菌やウイルス、花粉などの異物の侵入を抑えるバリア機能を持っています。ところが、アロマセラピーで用いるエッセンシャルオイルは分子がとても小さいため、表皮から浸透。一部は毛細血管を介して、全身に行き渡ります。
一方、鼻からの吸収ルートでは、鼻の粘膜には1000~5000万個の嗅神経細胞があり、その細胞の表面には嗅線毛が存在。香りの分子をキャッチしてくれます。成分は嗅球(きゅうきゅう)という部位を経て脳へと伝わり、自律神経系や免疫系、内分泌系に働きかけてくれます。

風邪と冷えにはティーツリーとレモン

風邪と冷えにはティーツリーとレモン

この時期の“二大悩み事”といえば、風邪、冷え症ですよね。そこで、この2つの悩み事について、医師や専門家が勧めているオイルを紹介しましょう。
まずは風邪。ウイルスをカラダに入れないための抗菌作用のある代表的なオイルといえば、“ティーツリー”が有名です。ティーツリーの原産地のオーストラリアでは、その名の通りお茶の木として親しまれ、強い抗菌作用があることから、周りには虫が寄りつかなかったと言われています。とくに初期症状の喉の症状にはぴったりで、コーヒーカップなどにお湯を入れてティーツリー1~3滴たらし、湯気とともに立ち上がる香り吸い込みます。
冷えにオススメなのはレモンです。意外ですが、レモンに含まれるリモネンという成分にカラダを温める作用があることが実験などで確かめられています。おススメはアロマバス。全身浴ならバスタブに1~5滴入れて入りましょう。半身浴の場合は1~3滴を。

安全に使うための製品の選び方と注意点

アロマセラピーを行う際に注意したいのは、製品の選び方。遮光ビンに入っているもので、学名、産地、抽出時期・部位・方法、有効期限が書かれていて、成分表がついているものを選ぶように。保存は冷暗所で早めに使い切りましょう。
 また、使う前には「パッチテスト」でオイルに対してアレルギーがあるかを確かめて。
パッチテストのやり方は、販売店のスタッフなどに教えてもらいましょう。使用中に皮膚が赤くなる、吸引して気持ちが悪くなるなどのトラブルが起こったら使用をやめて、病院やクリニックで診てもらってください。

こちらも参考に

公益社団法人 日本アロマ環境協会
http://www.aromakankyo.or.jp/

Jan 13 2017

医療ライター・山内

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