なかなか改善しない肩こりは「首」が原因かも?
その“凝り(こり)”は肩ではなく、首から?
在宅ワークが推奨されてからもうすぐ1年を迎えようとしています。
中には、従来の環境とは違う自宅でのパソコン作業に慣れてきたこともあって、気がついたら何時間もパソコンと向き合っていた…というような人も多いのではないでしょうか。
このような長時間の作業などを終えた後でふと気付くのが、ガチガチに凝り固まった肩の存在です。
いつもの肩こりだと思って、肩を回したり叩いたり…
しかし、なかなか改善しないときもあるのでは?
このような場合、「首」に注目してみるとよいかもしれません。
何もなくても首のうしろ側は凝りやすい
私たちの頭は、体重の1割強ほどの重さがあるといわれています。
体重が50キロなら、頭の重さは5キロ程度。2リットルのペットボトル2本半分だと考えると、かなりの重さになります。
その重さを一手に支えているのが頸椎(けいつい)、つまり首です。
首は頭の重さをうまく分散して支えていますが、それでもまっすぐに立っているときの頭の重心は、どちらかというと首の前側にあり、首のうしろは常に引っ張られた状態になっています。
ですので、普通の状態でも多かれ少なかれ「首こり」は起こっているわけですが、その首への負荷をさらに高めているのが、「ストレートネック」です。
首の負荷を強めているストレートネックとは?
ストレートネックという言葉、一度は聞いたことがあると思います。
本来、緩やかに「く」の字型にカーブしている頸椎がまっすぐになり、前に傾いた状態をいい、横から見ると胸より頭が前に出て、あごが突き出ています。
主な原因は、スマホやパソコンを使うときの姿勢の悪さ。うつむいた状態が続くことで起こりやすくなります。
自分がストレートネックかどうかは、壁に立った状態でチェックできます。
壁に後頭部と肩甲骨、お尻、かかとが自然に付いていたら問題ありませんが、1カ所でも付いていない場合は、ストレートネックの可能性が大です。
スマホやパソコンを見るときは前屈みにならず、視線の高さを揃えるようにしましょう。
カラダの内側からアプローチする漢方
こりの原因は首も肩も同じで、血行不良や筋肉の緊張によって起こるとされています。
こうした首のこりには血行をよくして、筋肉の緊張をとるストレッチやエクササイズ、温めたタオルなどで首を温める方法などで解消されることもあります。
首こり対策では首をグルグルと回しがちですが、無理に曲げ伸ばしをすると、かえって頸椎を傷めることがあるので気をつけましょう。(整形外科でも推奨はしていないようです。)
ウォーキングやジョギング、水泳、ヨガなどの全身運動もおすすめです。
全身の血液の巡りをよくすることで首のこりも和らぎますし、なによりも予防にもなります。
また、血行不良や筋肉の緊張からくる首こりには、漢方薬が有用なこともあります。慢性のこりが気になる方は一度、医師や薬剤師に相談してみてください。
単なる首のこりだと思っていたら、思わぬ病気が隠れているという可能性もあります。
代表的な首の病気は変形性脊椎(せきつい)症や椎間板ヘルニアなどです。
症状が強くて日常生活に支障が出るようなときは、一度、医療機関を受診することをおすすめします。
ご存じですか?
医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)
こちらも参考に!
漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介
https://www.kampo-view.com/clinic医療ライター・山内