キレイ・ゲンキ・ハッピーをずっと Kampo View

漢方ビュー通信

若いから大丈夫…はダメ。「脳梗塞」のリスクと対策

若いから大丈夫…はダメ。「脳梗塞」のリスクと対策

脳梗塞は夏も冬と同じぐらいの発症率

脳卒中とは脳の血管が詰まってしまう「脳梗塞」、破けたりする「脳出血」や「くも膜下出血」などの病気の総称で、国内の年間患者数は約110万人にものぼり、10〜11万人が亡くなっています。
「高齢者に多く、寒いときに起こりやすい病気」というイメージがありますが、若くても、寒くなくても、発症リスクがある脳卒中もあります。

それが、脳の血管が詰まることで起こる「脳梗塞」です。

ある調査によると、同じ脳卒中の仲間である脳出血やくも膜下出血は冬に増加し、夏に減る傾向がありますが、脳梗塞は年間を通じて発症率がほとんど変わっていません。
過去には30代の女性アナウンサーや、50代の女性タレントが脳梗塞を発症したことを公表しており、必ずしも高齢者がかかるというものではないようです。

肥満や生活習慣病、喫煙は脳梗塞のリスク

一般に高齢者の脳梗塞では、その背景に動脈硬化や高血圧などの生活習慣病があることがほとんどです。
一方、若い人の脳梗塞では、血液が固まりやすい血液凝固異常症や抗リン脂質抗体症候群といった病気がリスクとなります。また、静脈にできた血栓が脳に飛んで脳梗塞を起こすというケースもあります。

妊娠時も血液が固まりやすいので、脳梗塞の発症を促す可能性が指摘されています。心配な方は担当の産婦人科医に相談されるといいでしょう。
もちろん、肥満や生活習慣病、喫煙、多量の飲酒はどの年代でも脳梗塞のリスクです。

肥満や生活習慣病、喫煙は脳梗塞のリスク

前触れ「一過性脳虚血発作」があったら即対処を

近年、脳梗塞治療の進化は著しく、早期に発見できれば多くの命が助かるようになりました。
一方で、マヒなどの後遺症が残ることもあり、若いときに発症すればそれだけ負担は大きくなります。
脳梗塞はある日突然、発症する怖い病気ですが、「一過性脳虚血発作(TIA)」という前触れとなる症状が現れることが知られています。具体的な症状は以下のようになります。

一過性脳虚血発作の症状

・片側の手や足、顔にマヒが現れる
・ろれつが回らない、言葉が出てこない
・片側の手足や顔がしびれる、感覚がない
・片方の目が見えにくい、片側にあるものが見えない

国立研究開発法人国立循環器病研究センター「循環器病情報サービス」より

問題は、こうした症状が5~15分間(長くても24時間)続くものの、何事もなかったかのように消えてしまうこと。一過性であるため、そのまま放置する人が多いのです。
しかし、一過性脳虚血発作が起こってから3カ月以内に15~20%で脳梗塞を発症、その半数は数日以内に脳梗塞を発症することが明らかになっています。
「治ったから大丈夫」と安心せず、すぐに病院を受診することが重要です。

脳の健康を保つためにしておきたいこととは?

昨今、脳梗塞など脳血管系の病気は認知症の原因になるといわれています。
脳の健康を保つための対策は、早いに越したことはありません。
まずは、脳梗塞のリスクとなる肥満生活習慣病を改善し、禁煙節酒を行うこと。
これからの季節は特に脱水による脳梗塞が危惧されるので、積極的に水分補給をすることも大切です。喉が渇いていなくても、一定の時間になったら意識して水分を口にするなどの対策を行っていきましょう。

漢方で脳梗塞を直接的に予防することはできませんが、健康を保つ養生という視点は、脳梗塞予防にもたいへん役立ちます。
また、発症のリスクのひとつである肥満に対して、「防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)」や、「防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)」などが用いられるように、漢方薬が有用な場合もあります。
ぜひ、漢方に詳しい医師や薬剤師に相談してみてください。

漢方薬
参考

脳卒中33巻2号 全国労災病院46,000例からみた脳卒中発症の季節性(2002−2008年)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jstroke/33/2/33_2_226/_pdf

厚生労働省 令和元年(2019)人口動態統計月報年計(概数)の概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai19/dl/gaikyouR1.pdf

厚生労働省 平成29年 患者調査(傷病分類編)
国立研究開発法人国立循環器病研究センター「循環器病情報サービス」
http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/brain/pamph96.html

阪大・脳循環グループ
http://www.osaka-njm.net/info/juvenile

こちらも参考に!

漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介
https://www.kampo-view.com/search.html

Jul 13 2021

医療ライター・山内

関連コンテンツ