漢方ビュー通信

10秒で分かる!?むくみと肥満の見分け方

10秒で分かる!?むくみと肥満の見分け方

「むくみ」と「肥満」の違いをご存知でしょうか?
体脂肪の蓄積である肥満は女性男性に関わらず、深刻な悩みのひとつではありますが、じつは、むくみと肥満との違いは紙一重の差だったりします。
自分の体型に敏感になっていたり、ダイエット中だったりすると、この「むくみ」に対しても神経質になってしまうもの。

そこで今回は、薬剤師である筆者が、見た目では判別しにくい「むくみ」と「肥満」の違いと見分け方について解説します。

むくみについて理解を深める

むくみとは、医学的には「浮腫(ふしゅ)」と呼び、何らかの原因で細胞と細胞の間の水分が異常に増加し、体外に十分に排泄されずに溜まった状態のことをいいます。

細胞と細胞の間に水分が溜まってしまう原因としてよくあるケースは、一日中姿勢が変わらない(座りっぱなし、立ちっぱなしなど)仕事だったりすることで、足の血流が低下してしまうことなどが挙げられます。
他にも、塩分の摂り過ぎやアルコールの摂り過ぎなどの食生活が原因になることもあります。

さらに、女性の場合には、生理前にプロゲステロンという女性ホルモンの分泌が増えることでカラダに水分を溜めこみやすくなるため、むくみを強く感じやすくなることがあります。

むくみについて理解を深める

10秒で判明!むくみと脂肪の簡単な見分け方

それでは、局所的な「むくみ」と「脂肪」の簡単な見分け方を紹介します。

気になる部分を指で約10秒間強く押してみてください。
指を離してすぐに戻るようなら、その部分は「脂肪」で、すぐに戻らないようであれば「むくみ」ということになります。

このとき、むくみだと分かって逆に安心してしまう人もいるかもしれません。
しかし、むくみやすい体質ということは、筋肉量が少なく基礎代謝が低いということも考えられます。つまり、代謝が低下していると脂肪を蓄積しやすい体質、すなわち“太りやすい”タイプなので、注意が必要です。

むくみ対策には漢方薬も

漢方入門!漢方薬の名前に隠された秘密を解説

むくみの対策として、筋肉を鍛えることや食事に気を付けることなどがありますが、漢方薬が有効な場合もあります。
漢方薬の中には、むくみの原因となっている“水分の代謝”アップの手助けをしてくれるものもあるからです。

例えば、塩分やアルコールを摂り過ぎたときに適した処方や、年齢とともにむくみやすくなったとき、寝不足でむくんだとき、冷えてむくんだときなど、さまざまなシチュエーションに合わせて選ぶことができます。

むくみの原因が分かっていたり、生活スタイルからむくみやすい環境にある人などは、漢方に詳しい医師や薬剤師に相談して自分に合った漢方薬をチョイスしてもらうと、むくみが楽になることがあります。
常備薬としても便利なので、悩んでいる人は一度漢方薬を試してみてもよいでしょう。
ただし、むくみが何日も続いたりしているようだと、他の病気が隠れていることもあるので注意しましょう。

ご存じですか?

医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)

こちらも参考に!

漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介
https://www.kampo-view.com/search.html

Jul 27 2021

薬剤師・大久保 愛

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