「春うつ」症状で不眠…原因は?自己チェックで早めの対策を
変動する気温や環境に体がついていくのが辛いこの時期、自律神経が乱れ、春特有の“うつ症状”が出ていませんか?
今回は薬剤師である筆者が、“春うつ症状”の原因と対策について解説します。さらに、今すでに症状を感じている方へ、これ以上悪化させないための方法もお伝えします。
春うつ症状簡単チェック
下記の症状に該当する場合は「春うつ」かもしれません。
朝起きると、疲れがとれていなく、だるさを感じる
朝、気持ちが落ち込むことが多い
朝方、目が覚めてしまう
なかなか寝付けない
息苦しいことがある
胸がドキドキする
集中力がなくなった
趣味や今まで興味をもっていたことへのやる気がなくなった
胃が痛くなったり、お腹が張ったりする
喉に何かつっかえる感じがある
上記項目に3つ以上該当する人は要注意です。
「春うつ」の原因は?
一番の原因は「ストレス」です。ストレスには様々な種類があり、様々な変化の多い春は、特にストレスを感じやすい季節なのです。
人は体や心に対して外部から刺激を受けた時、その刺激に慣れ通常の状態を維持しようとする仕組みをもっています。その時にかかる負荷を、ストレスと感じます。
春は、人間関係、気温、場所、仕事内容など様々なものが変動しやすい季節です。その変動が自分にとって多すぎると、心が弱くなくとも体はストレスと感じてしまい、そのストレスが自律神経や内分泌系を乱し、「春うつ」を招いてしまいます。
春うつの効果的な対策3つ
それでは、春うつを改善させるために、まずは食事でできる対策をご紹介します。
(1)ラーメンやパスタをなるべく食べない
麺類をメインにすると、食事の栄養バランスが乱れやすくなりがちに。うつの改善にはセロトニンという脳内物質が必要になります。セロトニンの材料は、アミノ酸である「トリプトファン」、「ビタミンB6」などです。これらは、大豆製品やマグロ、カツオなどタンパク質に多く含まれています。
ラーメンやパスタは、単品で食事が終わってしまうことが多く、栄養素としては炭水化物と脂質ばかりを過剰摂取してしまう可能性があります。うつ改善にとって必要なものが摂取できません。
(2)インスタント食品や加工食品も要注意
インスタント食品や加工食品の中には大量の「リン」が含まれているものも。リンは様々なミネラルの吸収を阻害しますが、特にカルシウムの吸収を邪魔してしまいます。カルシウムの不足は、うつ症状だけではなく、不眠やイライラなども引き起こしてしまいます。
(3)朝食にパンと甘いコーヒーは避ける
パンと甘いコーヒーを朝食にしている人は多いのではないでしょうか。
実はパンの原料である小麦と、甘くしたコーヒーの中の糖分は、血糖値を急上昇させてしまいます。血糖値が急激に上がったり下がったりを繰り返すと、脳で血糖値を上手にコントロールできなくなり、機能性低血糖を起こしてしまうことがあります。
すると、集中力の低下やイライラ、不眠や過食など、様々な症状を引き起こしやすくなり、いつの間にか糖質に依存している状態になっていることも。
春うつ症状をこれ以上悪化させないためには
ストレッチを毎日しましょう。うつの時は無意識に体に力が入り、筋肉が硬直しリンパの流れも悪くなってしまいます。肩周りや腰回りは、リンパや神経、血管などが集中している場所なので痛みを生じやすく、また脇腹や背中などにも痛みを感じることがあります。
さらに、リンパは免疫の働きをしている物質なので滞りが慢性的に生じると、他の病気を併発させてしまうこともあります。
そこで、簡単にできるストレッチ方法をご紹介したいと思います。
(1)脇腹を伸ばす(脇の下にはリンパが多く存在する)
両手を真上に上げ、両手を組み肘を伸ばします。息を吐きながら状態を右真横に10秒倒します。左も同様に行います。
固まりやすい肩甲骨も柔らかくなります。座ったままできるのでオススメです。
(2)腸腰筋を伸ばす(腸腰筋は股関節の前のあたり。リンパが多く存在する)
左足で立ち、右の膝をまげ右足首を右手で持ち、前ももを息を吐きながら10秒伸ばします。右足の踵がお尻にくっつくようにするとより効果的です。逆足も同様に行います。上体がくらくらしないようにお腹に力を入れて行ってください。
デスクワークが多いと股関節周りの循環が悪くなりがちです。このストレッチは、トイレにたった時などに簡単にできるのでオススメです。
4月は忙しく駆け抜け、ちょっと慣れてきた頃やG.W.で気が抜けてうつ症状が出ることが多いようです。うつ症状が出る前に様々な対応をすることは、とても大切なことです。心配になった時は、やれることから一つずつ試してみてくださいね。
薬剤師・大久保 愛