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漢方ビュー通信

意外な原因が!女性の天敵「貧血」を改善するためには?

意外な原因が!女性の天敵「貧血」を改善するためには?

日常的な鉄不足で「隠れ貧血」の女性も多い

月経のある女性にとって宿命的な問題が「貧血」
1日に必要な鉄量は、男性の18歳~29歳が7mg、30歳~69歳が7.5mg。一方、女性は15歳以降で10.5mgにもなります(食事摂取基準の推奨量より)。

鉄は私たちの体内に3gほどあるされていますが、男性では1日に約1mg、女性では1.3mgが代謝などによって失われていきます。体格が小さいにもかかわらず女性のほうが鉄を失う量が多いのは、月経があるためです。

貧血では、頭がクラクラする、めまい、立ちくらみ、顔色や唇の色が悪い、肩や首すじがこる、動悸、息切れ、疲れやすい、爪の色が白っぽくなるといった症状が見られますが、こうした症状があまりにも当たり前にあることから、鉄不足に気付いていない女性も少なくありません。いわゆる「隠れ貧血」です。

健康のための運動で貧血が起こる?

さらに美容と健康のため、「しっかり食べているし、しっかりカラダを動かしている」という女性が陥りやすいのが、運動による貧血です。
じつは、運動による貧血は、アスリートはもちろんのこと、運動を習慣にしている女性も気を付けたほうがいい問題なのです。

どのくらいの運動が強いか(強度)は個人差がありますが、一般的に強めのトレーニングを続けると筋肉が鉄を必要とする量が増え、また汗には微量の鉄が含まれているため、多量に汗をかくとそれだけ鉄が失われます。

もうひとつの問題は「運動性貧血(スポーツ貧血)」です。
ジャンプや強い踏み込みなどが必要なスポーツでは、足底部にかかる衝撃で足の裏の毛細血管を流れる赤血球が壊れることがあります。
赤血球には鉄とたんぱく質が結合してできているヘモグロビンが多く含まれています。赤血球が壊れると鉄が赤血球から溶け出すので、貧血(溶血性貧血)になってしまうのです。これは鉄が不足する鉄欠乏性貧血とは違うタイプの貧血です。

健康のための運動で貧血が起こる?

カラダを動かすことは貧血の改善にメリット大

スポーツ貧血になりやすいのは大きくジャンプしたり強く踏み込んだりするスポーツで、マラソンや剣道、バスケットボール、バレーボールなどが挙げられます。
また、これまで運動をやっていなかった人が急に運動を始めるときに頑張りすぎると、こうした貧血になることがあるともいわれています。

ただ、ここでひとつ言えるのは、運動そのものは悪くないということです。

適度な運動は鉄の吸収を高めてくれるため、貧血の改善には有用です。自分の体力などにあった適度な運動をすることが大切で、運動習慣のある人は日ごろから少し意識して鉄の多い食事を摂ったほうがよいでしょう。

貧血改善になる上手な鉄の摂り方とは?

鉄は吸収率の低いミネラルですが、レバーや赤身の肉、魚などに多く含まれている「ヘム鉄」は、野菜や卵、牛乳などに含まれる「非ヘム鉄」よりも吸収率が高くなります。
ビタミンCと一緒に摂ると、吸収率が高まります。

さらに、鉄は胃酸が多いと吸収されやすいので、オレンジなどの柑橘類や酢、梅干しなどと一緒に摂ったり、しっかり噛んだりして、胃酸の分泌を促すことが大事です。

こうした食生活の見直しでも貧血が改善されない場合は、大きな病気が背景に隠れているかもしれないので、一度、専門の医療機関で診てもらったほうがいいかもしれません。
サプリメントで手軽に補充しようとするのは過剰摂取の恐れがあるので、薬局やドラッグストアで購入して使用する場合は、薬剤師に相談するようにしましょう。

漢方では「血」の異常と捉えて対応することも

貧血には漢方で対応することも可能です。
漢方の考え方に「気・血・水(き・けつ・すい)」というものがあります。このなかの「血」は血液とその働きのことで、この血が不足する「血虚(けっきょ)」になると、貧血のような症状が起こることが知られています。

また、貧血では血の不足だけでなく、カラダがむくんだ状態であったり(水毒)、カラダのエネルギーが足りていなかったり(気虚)といった状態を併せ持つことも少なくありません。
そこで、漢方ではこうした状態や患者さんの体質を加味しながら処方が選ばれます。
具体的には、「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」や「十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)」、「人参養栄湯(にんじんようえいとう)」、「加味帰脾湯(かみきひとう)」などが用いられます。

貧血で悩んでいる人は、カラダの状態をみつつ、医師や薬剤師に相談し自分に合った漢方薬を服用しながら、少しずつ改善していくようにしましょう。もちろん日々の生活習慣の見直しも忘れずに。

注釈:鉄は、必須栄養素です。一般用語として食品、食事や体内の栄養素としての鉄を示す場合に「鉄分」という用語が用いられることがありますが、栄養学的には「鉄」を用いるのが良いと判断し、表記しています。

参考

厚生労働省eヘルスネット「貧血」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-02-008.html

健康長寿ネット「運動と貧血」
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/shippei-undou/undou-hinketsu.html

女性アスリート健康支援委員会 アスリートと貧血
http://f-athletes.jp/download/pdf/170620_anemia.pdf

こちらも参考に!

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ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師がこの診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)

Sep 14 2021

医療ライター・山内

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