秋はアレルギーの原因がいっぱい!対策として大事なことは?
空気が乾燥する季節になると、肌のかゆみや声枯れ、咳、くしゃみなどの不調が増える傾向にあります。
これは、アレルゲンとなる物質が乾燥した空気の影響で浮遊しやすくなったり、カラダの表面を覆っている皮膚や粘膜が乾燥し、防御機能が低下しやすくなるからです。
大事なことは、気候が乾燥しているのに身を任せて、カラダを乾燥の状態にさせないこと。
そもそも、人は加齢とともに乾燥しやすくなります。若いころは潤いが保たれていますが、ある程度の年齢になったら、季節に応じて事前の乾燥対策や炎症が起こらないようにする対策が必要です。
そこで今回は、薬剤師である筆者が、乾燥した季節のアレルギー対策について解説します。
症状が似ているアレルギー症状と風邪
秋の季節になると、鼻や喉の不調に悩む人が増えてきます。
一見風邪かと思いきや、じつは、秋は花粉やダニ、寒暖差などのアレルギーの原因が増えてくる季節とされています。
アレルギー症状と風邪の症状は似ているので、どちらか判断するのは難しいかもしれませんが、風邪の場合には症状が複数混在していたり、昼夜による症状の差がなく一定であったり、1〜2週間で治るものが多いです。
しばらく様子を見てから、症状が治らないような時は医師や薬剤師に相談するとよいでしょう。
秋の季節はアレルギーの原因がいっぱい
1年の中で、ダニによるアレルギーが最も増えるのが9月から11月です。
これは、夏に増えたダニが秋の涼しい気候で死骸(ダニの死骸と糞のサイズは生きているダニや花粉のサイズよりも小さい)となり、秋の乾燥した空気で宙を舞って鼻や目、喉の奥まで入りこむからです。そのため、その目や鼻の症状に加えて咳がでる場合があります。
また、土手や公園などに生息するヨモギやススキなどのイネ科、キク科、クワ科などの秋の植物由来の花粉も飛び始め、花粉症を感じることもあります。
さらに、秋になると台風の発生も増えてきます。それに伴って、気温差や気圧差が生じ、外敵に敏感な粘膜が反応し、アレルギーを起こすこともあります。
このように、秋にはアレルギーを起こす原因が多く存在しています。
アレルギー対策として、まず心がけてほしいこと
アレルギー対策として、まず心がけてほしいのが“水分補給”です。
涼しい季節は、どうしても暑い季節と比べて水分の摂取量が減りがちですが、乾燥の季節である秋も水分補給は怠ってはいけません。
水分が不足することで、口腔内細菌のバランスが乱れてバリア機能が低下したり、免疫の働きの約7割を担っているといわれる腸内の水分が不足し、便がコロコロとして腸内環境を乱したりします。これらはアレルギーにとって大敵です。
この時期は、こまめな水分補給を心がけて、体内の乾燥を防ぐことも大切です。
また、アレルギー対策には、漢方薬が役立つ場合があります。
漢方薬の中には、症状を抑えるものと、病気になりにくい体質にしていくものとがあります。
例えば、鼻水やくしゃみなどの症状を治すことを目的としたもの、そして、アレルギー体質を改善していくことを目的としたものなどがあります。
その時のカラダの状態によって、処方される漢方薬は異なるので、必ず医師や薬剤師に相談してから服用するようにしてくださいね。
いかがでしたか?
このように、秋は一年の中でも過ごしやすい季節ですが、アレルギーなどの病気を発症させやすい季節でもあります。水分補給や漢方薬以外にも、自分でできる対策を見つけて、この季節を気持ちよく過ごしていきましょう。
ご存じですか?
医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)
こちらも参考に!
漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介
https://www.kampo-view.com/clinic
薬剤師・大久保 愛