秋は抜け毛や薄毛に注意する季節です!
突然ですが、最近“抜け毛”が気になりませんか?
床やお風呂の排水溝、枕元に目を向けてみると、いつもより髪の毛が落ちているような…
じつは、ちょうど今の時期「秋」は、一年の中で最も抜け毛が増える季節とされています。
これは、夏の間に受けたダメージに加え、だんだん乾燥してくる時期なので、それらの要因が重なってくるからではないかと考えられています。
特に、夏の紫外線や夏バテからの心身のダメージは、遅れて出てくるので厄介です。
そこで、今回は薬剤師である筆者が秋の抜け毛・薄毛について解説します。
どうして秋は抜け毛・薄毛を感じやすいの?
冒頭でも述べたように、秋の抜け毛・薄毛の原因は、夏の間に受けたダメージが原因になっていることが濃厚です。そこで、抜け毛・薄毛の原因を5つ解説します。
1)紫外線
頭皮に受けた紫外線によって、毛母細胞がダメージを受け、髪の毛をつくる機能に支障をきたし、抜け毛・薄毛を生じさせることがあります。
2)偏食
夏の暑い時期に、冷たいものや喉越しのよい麵類、簡単に調理できるレトルト食品ばかりを食べていた人は、栄養の偏りにより新陳代謝を低下させ、薄毛の原因を引き起こしてしまう場合があります。
3)汚れ
夏場にたくさん汗をかくと、どうしても頭皮の毛穴に皮脂や汚れが詰まりやすくなってしまいます。
その皮脂や汚れが残っていると、頭皮に炎症を起こし、抜け毛の原因となることがあります。
4)ホルモンの変化
秋への季節の移り変わりで、日照時間が変化したり、気温が低くなったりすることでホルモンバランスが乱れ、髪の発達に影響することがあります。
5)乾燥
まだ時折暑い日もあったりして、エアコンから完全に脱却できていない人も多いと思います。
秋の空気は乾燥しているので、エアコンを併用した生活を送っていると、頭皮が常に乾燥した状態になりがちです。
頭皮の乾燥は、バリア機能の低下を引き起こすので、フケやかゆみ、脂漏性湿疹などの頭皮トラブルを起こす原因にもなります。また、髪の毛自体が乾燥することから、枝毛が増える可能性もあります。
このように、秋は夏からのダメージの蓄積や気候の変化から、髪に対して影響を与える季節となっているので、いつもより抜け毛・薄毛を感じやすくなっているのです。
抜け毛・薄毛対策はカラダの内側からも!
夏のダメージによる抜け毛や薄毛を感じている人は、夏の疲れを引きずっていることが考えられるため、頭皮以外にもカラダの不調を感じていることが多いです。
したがって、外側からのケアに加えて、体調を整えるために内側からの努力をすることも必要となります。
内側からのケアとしては、バランスの良い食事、自律神経が乱れないようにゆとりを持った時間の過ごし方、適度な運動などに加えて、漢方薬の服用も一考してみてはいかがでしょう。
漢方薬については、抜け毛・薄毛に対して直接効果があるわけではありませんが、血流や自律神経に作用し、体調を整えることで、結果的に頭皮のケアにつながっていくとされるからです。
このように、秋は夏の疲れを引きずっているため、それが髪の抜け毛・薄毛に現れてきます。
大事なのは、秋に増える抜け毛や薄毛の原因は、頭皮の状態だけではなく、カラダ内部の状態も起因しているということを理解しておくことです。
年齢とともに、疲れが抜けきるのには時間を要するようになってきます。休める時はしっかり休み、リラックスした時間や規則正しい生活を送れるように心がけましょう。
そうすることで、自ずと頭皮の悩みやカラダ全体の不調も改善の方向に向かっていくでしょう。
ご存じですか?
医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)
薬剤師・大久保 愛