漢方ビュー通信

食べ過ぎは老ける!食生活の乱れに漢方薬!?

食べ過ぎは老ける!食生活の乱れに漢方薬!?

年末年始になると、どうしても増えてくるイベント事。
それと同時に、食事を楽しむ機会も増えてくるのは仕方のないことですが、そこで“食べ癖”がついてしまった人は注意が必要です。
これからさらに、春に向けても新年度のパーティーやお花見、ゴールデンウィークといったイベント事が盛り沢山だからです。

一般的に、食べ過ぎると太る──というイメージを持っていると思いますが、それ以外に美容と健康を害する老廃物「AGEs(終末糖化産物)」が増えてしまうことも問題です。
これは、シミやシワの原因になったり、生活習慣病などの全身的な疾患にもつながったりする恐れがあります。さらには、カラダを掃除するオートファジーという機能の働きが鈍り、老廃物が溜まりやすくなってしまうことも…。

そこで、今回は薬剤師である筆者が、AGEsがカラダに与える影響について解説します。

AGEsの増加で老けて見える?

私たちのカラダは、肌や血管、血液、骨、脳、目、髪などすべてタンパク質でできています。
この全身に存在するタンパク質が、体内に過剰に存在する糖分と結合して、劣化したものをAGEs(終末糖化産物)といいます。

また、AGEsにはコラーゲンと強く結びつき、架橋形成や褐色性といった性質があるため、シミやシワ、たるみ、くすみなどの見た目にも大きく影響します。
そのため、AGEsが多く蓄積している人は、カラダの中の不調だけではなく、見た目としても老けた印象を与えてしまう恐れがあります。
つまり、AGEsは“老化を促す物質”ともいえるでしょう。

AGEsの蓄積によってカラダの各部位に現れる影響をいくつか紹介します。

血液:糖尿病
肌:  シミ、シワ、たるみ
髪: 抜け毛
骨: 骨粗鬆症
目: 白内障
血管:動脈硬化

AGEsが増加するのは甘いもの以外にも!?

AGEsが増加するのは甘いもの以外にも!?

AGEsは、糖質過多によって体内で作られるAGEsと、高温調理によって作られるAGEsの2つのルートによる生成方法があるとされています。
血糖値が急上昇するような甘いものや糖質の多いものだけに気を付けておけば大丈夫というイメージがありますが、調理によって生成されるAGEsにも注意が必要です。
例えば、こんがり焼いたパンや焼肉、ステーキ、唐揚げ、フライドポテト、ホットケーキ、パスタ、ピザ、チャーハン、てんぷらなどの糖質だけではなく、中には低糖質高タンパク食品であっても該当するものがあります。

食べ癖などの食生活の乱れには漢方を

漢方薬

甘い物や高脂肪食品が好きでよく食べてしまう人は、空腹だから食べたくなる、というよりは少し依存的に欲してしまう傾向があるようです。
そのため、食べ癖がつきやすく、無意識にAGEsを溜め込む食生活を繰り返してしまいます。
この無意識の習慣によって、老化や生活習慣病が加速してしまうのは怖いことです。
もし、今の自分の食生活を振り返ったときに思い当たるふしがある場合は、血糖値を急上昇させるような食事や高温調理の食事を控えてみましょう。

そして、食べることに依存していたり、食べてストレスを発散していたりするような場合には、漢方薬で気持ちを落ち着かせて、食欲を安定させる方法もおすすめです。他にも、食べ過ぎで脂質過多になったカラダを整えたり、便秘やむくみを改善したりする漢方薬も複数あるので、気になる人は、かかりつけ医やお近くの漢方に詳しい医師や薬剤師に相談してみてはいかがでしょう。

食べ癖の解消や食生活の改善、生活習慣を整えたりすることは大変ですが、少しずつでいいので努力していく意識が大事です。なかなか結果があらわれない人は、それと併用して、漢方薬でサポートすることも選択肢のひとつに考えておきましょう。
新年のスタートを気持ちよく切れるように、体調面やメンタルをしっかりと整えて年末年始を過ごしましょうね。

ご存じですか?

医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)

こちらも参考に!

漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介

https://www.kampo-view.com/clinic
Dec 24 2021

薬剤師・大久保 愛

関連コンテンツ