漢方ビュー通信

もうすぐ春なのに…あなたのモチベーションは大丈夫?

あと一月もすれば3月──まだまだ気温的に寒い日が続いていますが、気象庁による季節では春になる時期。とはいえ、2月の時点でも日射量が増えてくるので、だんだんと春の訪れを感じるようになってくる頃だと思います。

春といえば、新しいことにチャレンジしたり、環境が変わり今までと違うスキルを身につけたり、新年度の手続きが増えたりと、集中力や注意力が必要になることが増えるときです。
ところが、徐々に温かくなる春は、ついボーっとしてしまったり、気温や気圧の変化が大きいせいで体調が安定しづらかったり、環境の変化に焦りを感じ気力が低下したりと、心がカラダに追いつかずストレスを感じてしまう人が多いともいわれています。

そこで、今回は薬剤師である筆者が、気落ちしやすい時にモチベーションを維持し、気持ちをリセットする方法を解説します。

甘い物、麺類、パンの摂取が増えていませんか?

モチベーション(やる気)が低下している時には、過食気味になりやすいといわれており、とくに、甘い物や麵類、パンなどの糖質を多く含む食材を食べたくなる傾向があるようです。
というのも、糖質にはやる気を出すときに必要なセロトニンの分泌を促したり、血糖値を上昇させたりすることができるため、素早くやる気アップを見込めることができるからと考えられています。

ただし、こういった食事には依存性があったり、一日の栄養バランスが糖質と脂質に偏ったり、腸内環境を乱したりするためデメリットがあることも否めません。これは、安定したメンタルづくりの対極となる要素です。
一時的に状況を好転できたとしても、長期的にみると健全なカラダの基礎を構築することができないので、徐々に悪化していく可能性があります。

やる気がない、モチベーションが下がる、集中力が続かないときは、“糖質の摂取量”に注意してみましょう。

春はモチベーションが低下しやすい条件が揃っている

日照時間が短かった冬を経験したことで、この時期になると、誰もがストレスに対して効能のあるセロトニン(太陽に当たることで分泌される)が不足しがちになります。冬から春にかけて、気分が少し安定しなくなるのはそのためです。
さらに、春の落ち着かない気候や年度末の環境の変化などで、自律神経を乱すような事象も増えてしまいます。

このような場合は、深く悩まずに、心の栄養となるタンパク質やビタミン、ミネラルを含む食事、腸内環境を整える食物繊維や発酵食品を多く摂るように心がけてみましょう。
また、なるべく日光浴をしたり、適度な運動や睡眠をしっかりとるようにしたりすることも大事な行動になります。

気落ち対策としてできること

モチベーションアップするために、まずは太陽の光を浴びるように意識してみましょう。
毎朝、太陽の光を浴びながら大きく深呼吸すると、セロトニンの分泌を促しながら、自律神経を整えることができます。

そして、小さなストレスや軽い頭痛やめまい、耳鳴り、胃腸の不調などやちょっとした不調に対して、こまめにケアすることを心がけましょう。
これらの症状やちょっとした不調を放置することが気落ちの原因となるので、最初の段階で摘み取ってしまうのが大事です。
こうした不調の改善は、漢方薬が得意とする分野でもあります。
はっきりとした病名がないものに対しても、その時の体調や症状に合わせて処方し、助けになってくれる場合がありますので、もし気になるようでしたら、かかりつけ医や漢方に詳しい医師や薬剤師に相談してみましょう。

漢方薬

毎年、春からゴールデンウィークの時期にかけて不眠になったり、緊張しやすくなったり、落ち込みやすくなったりと、自分ではコントロールできない心の病を感じる人もいます。
今の時期から前もって対策をとることで、変化の多い春に集中力を高め、自分の力を最大限発揮できるようにしたいですね。

ご存じですか?

医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)

こちらも参考に!

漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介

https://www.kampo-view.com/clinic
Feb 1 2022

薬剤師・大久保 愛

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