漢方ビュー通信

お腹いっぱいはNG!食事の量は、腹七分目で。

お腹いっぱいはNG!食事の量は、腹七分目で。

“食べること”は、人を幸せにしますよね。
特に、自分の好きな食べ物を目の前にしたときや気心の知れた友人と会食をするときは、その喜びもひとしおかと思います。

ただし、注意したいのが「食べ過ぎ」
昔から言われているように、お腹いっぱい食べるのではなく、“食事は腹八分目がよい”とされていますし、「腹八分目に医者いらず」と伝えられているほどです。
また、最近では、腹八分目ではなく腹七分目が、より効果的だとも…。

今回は薬剤師である筆者が、腹七分目の食事がもたらすメリットについて解説します。

空腹感で活性化するサーチュイン遺伝子とは

腹七分目の量とは、次の食事までに空腹を感じることができる量になります。
じつは、この“空腹感”が大事な要素で、人は空腹を感じると「サーチュイン遺伝子」という遺伝子を活性化させることが分かってきています。
サーチュイン遺伝子とは、長寿遺伝子などとも呼ばれ、健康とアンチエイジングのために非常に重要なものです。

サーチュイン遺伝子が活性化すると、ミトコンドリアが増え、体内に溜まっている老廃物などが除去される「オートファジー機構」が働きます。
この働きは、糖尿病や痛風、動脈硬化などの生活習慣病の予防に効果的とされています。

また、腹七分目だけではなく、20時以降の食事を控えること、空腹を感じてから食事を摂ること、早食いをせずによく噛んで食べることなどに気を付けることも大事なことです。

空腹感で活性化するサーチュイン遺伝子とは

バランスの良い食事内容にも気を配りましょう

食事の量以外にも気をつけたいのが“質”です。
当然食べ過ぎには注意しなければなりませんが、その量が少なかったとしても、栄養の偏りがあると健康へのダメージになることがあります。バランスの良い食事内容にも気をつける必要があります。

また、脂っこいものや冷たいもの、辛いもの、カフェインなどを摂り過ぎてしまった場合にも、不快に感じることがあると思います。
この不快症状が続くと、不調の原因となってしまいます。
胃腸の不調は、長引くと栄養の吸収や老廃物の排泄の効率が悪くなり、胃腸だけではなく全身的な不調へと派生してしまうことがあるので、早めの対処するようにしましょう。
そのような時には、原因別に漢方薬を用いて、改善することもできます。もし、胃腸の不調で気になっていることがあれば、一度、かかりつけ医や漢方に詳しい医師や薬剤師に相談することをおすすめします。

バランスの良い食事内容にも気を配りましょう

食事、睡眠、運動は健康のために欠かせないものです。
その中でも食事は、内容だけではなく、量やタイミングにも気をつけなければならないので、毎日優等生に過ごすことは大変かもしれません。
しかし、冒頭でもふれたように、食事とは本来、人を幸せにするものです。美味しく楽しく、笑顔になれるような食事と、健康に注意した食事とのメリハリをつけて、“食”を堪能することが大事です。
腹七分目の食事量と、栄養バランスの取れた食事内容で、これから先の健康的な生活を過ごせるように意識していきましょう。

ご存じですか?

医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)

こちらも参考に!

漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介

https://www.kampo-view.com/clinic
Feb 22 2022

薬剤師・大久保 愛

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