漢方ビュー通信

気になるニオイ…まずは体臭のタイプを知るところから

気になるニオイ…まずは体臭のタイプを知るところから

日本には、湿度が高い時期、低い時期とありますが、それぞれの時期に特有の問題が発生します。
中でも、湿度が高い時期はジメジメした環境なので、雑菌やカビが繁殖しやすく、洗濯物が生乾き臭くなったり、湿疹やかゆみなどの肌トラブルを起こしたり、汗の蒸発が影響して体温調節ができずに自律神経を乱したりと、生活環境から美容、健康にまで影響が及んでしまいます。
また、特に気をつけたいのが体臭の問題です。
自分のニオイに敏感な人は、ボディーソープや洗顔、制汗スプレー、柔軟剤、香水など外側からのケアはしっかりできている人は多いと思います。ですが、同じくらい意識してほしいのが内側からのケア。

そこで、今回は薬剤師である筆者が、カラダの内側からも効果的な“ニオイ対策”について解説します。

簡単にできる体臭チェック法

まずは、自分のニオイを把握することからはじめてみましょう。
カラダの各パーツの確認方法は次の通りです。

コップやビニール袋に息を溜め、深呼吸してからニオイを嗅ぐと確認できます。

脇の下にハンカチやガーゼを挟み、汗ばむくらい(5分くらい)カラダを動かし、ニオイを嗅ぐと確認できます。

1日履いた靴下をチャック付きの袋に入れて、5分後にニオイを嗅ぐと確認できます。

頭部

はじめに石鹸などを使わずに手を洗い、その手で頭皮を擦り、ニオイを嗅ぐと確認できます。

デリケートゾーン

ティッシュやタオルを少しあてて、ニオイを嗅ぐと確認できます。

簡単にできる体臭チェック法

気になる汗のニオイ対策とは

私たちの汗は、皮膚の汗腺という器官から出てきます。
汗腺には2種類あり、全身に分布していて無味無臭の汗を分泌するエクリン腺と、脇の下や陰部、乳輪などの限られた部分に分布していて、ニオイがきつくなりやすい汗を分泌するアポクリン腺です。

基本的に、汗が分泌された時には無臭ですが、皮膚に付着する汚れなどが合わさることで、常在菌が育ちやすい環境になり、ニオイの原因物質を作り出します。
さらに、皮脂腺から分泌される皮脂も時間の経過とともにニオイの原因となります。
ちなみに頭皮、Tゾーン、耳の後ろから首にかけての部分、脇、胸の中心部、背中の中心部、へそ、陰部などが、皮脂分泌の多い部位になります。

ほかにも、加齢臭や疲労臭、ダイエット臭など、シチュエーションによってニオイが変化することもあります。
例えば、加齢臭は脂質や添加物の多い食事を摂り過ぎた時、疲労臭は精神的なストレスや肉体的な疲労が溜まった時、ダイエット臭は極端に糖質を制限するなどのダイエットを行った時などに、ニオイがきつくなるとされています。

このように、ニオイが気になるときには清潔を保つことだけではなく、食事によるケアやストレスケアも重要になります。

自律神経の乱れが原因のニオイには漢方薬で対策を

漢方薬

緊張やストレスを感じると、自律神経の交感神経が過剰に緊張した状態になります。
すると、唾液分泌の減少による口腔内での雑菌増殖が口臭の原因になったり、脇や手、足などの汗が過剰になりニオイがきつくなったりすることもあります。

このような、自律神経が原因となっているケースでは、漢方薬の活用が有効な場合もあります。
例えば、緊張するシチュエーションが多かったり、常に神経が高ぶっていたりする時には、心を安定させる漢方薬の服用がおすすめです。
また、長期的に服用しなくとも、効果に期待できる漢方薬は多いので、気になるタイミングやそのシーズンだけ服用するなどして、上手に活用していきましょう。

いかがでしたか?
まずは、あなたが気になっているそのニオイの原因を探るところから始めてみましょう。外側からのケアが有効なのか、内側からのケアが有効なのかを見極めて、必要があれば漢方薬に詳しい医師や薬剤師に相談して、自分に合った対策をできるようにしましょう。

ご存じですか?

医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)

こちらも参考に!

漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介

https://www.kampo-view.com/clinic
May 6 2022

薬剤師・大久保 愛

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