漢方ビュー通信

環境や気候の変化で必要な体温調節の乱れがもたらす悩みに漢方薬を!

環境や気候の変化で必要な体温調節の乱れがもたらす悩みに漢方薬を!

高温多湿の外気にさらされたときや、エアコンの効いた部屋に長時間いたときなどに不調を感じる人は多いようです。
このような環境では体温調節を必要とし、連動して自律神経が乱れてしまうことがあります。その結果、なんとなくだるい、むくみやすい、眠りが浅いなど、はっきりと病気とはいえない症状が複数出てしまうことも──。

そこで今回は、薬剤師である筆者が、体温調節の乱れがもたらす不調とその対策について解説します。

体温調節の乱れは体調不良の原因に

例えば、これから訪れる梅雨のシーズンは、高温多湿のジメジメとした過ごしにくい環境になります。
早く梅雨明けしてほしいと考えたくなりますが、その後の猛暑のことも考えると早くもバテてしまいそうな気分になってしまいます。
そのため、日本のような気候に住んでいる場合には、環境に耐えてその場しのぎをするのではなく、自らのカラダを変えようとする努力がなければ、何カ月も不調を引きずってしまうことに…。

体温調節の乱れは体調不良の原因に

これから気温がだんだんと高くなり、湿度が上がる梅雨時には、体温調節のために汗をかき、熱を発散しようとカラダは働きます。ですが、湿度が高いため汗は蒸発できなくなり、カラダの中に熱と水分が閉じ込められてしまいます。
このように体温調節がうまくいかなくなることで、むくみやカラダの重だるさ、睡眠の質の低下など複数の不快症状をもたらす原因になります。

また、蒸し暑さから薄着で生活したり、エアコンをつけたまま寝ることで免疫を低下させたり、風邪をひいてしまうという人も増えてしまいます。気温が30度を超えていないときには、なるべく除湿の設定にするなど工夫が大事です。さらに、冷たい飲食物でカラダの内側から冷やしてしまうと、風邪の恐れだけではなく、自律神経も乱してしまうので、なるべく温かい飲食物の摂取を心がけるようにしましょう。

この時期特有のバテ症状には漢方薬を

体温調節の乱れがもたらす悩みで厄介な、“眠れない、むくむ、だるい”などのさまざまな不快症状ですが、季節的な要因でもあるため、なかなか改善は難しいと思っている人も多いのではないでしょうか。

そこで、自律神経の乱れや水分代謝の低下などに対しておすすめなのが漢方薬です。 例えば、梅雨時のめまいや頭痛の改善には「半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)」、むくみには「五苓散(ごれいさん)」、だるさには「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」など、さまざまな処方があります。

ただし、これらの症状の根本原因は人それぞれなので、まずは日頃の生活習慣や気になっていることなどを、漢方に詳しい医師や薬剤師に話して相談することから始めてみましょう。
そうすることで、自分に合った処方や生活習慣の改善点などが見えてくるかもしれません。

自律神経の乱れには漢方薬が効果的な場合も

毎年似たような不調に悩まされている人や、今年は健康的に梅雨時期を乗り切りたいと考えている人は、一度、漢方薬の可能性を試してみてはいかがでしょうか。

ご存じですか?

医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)

こちらも参考に!

漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介

https://www.kampo-view.com/clinic
May 20 2022

薬剤師・大久保 愛

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