漢方ビュー通信

コロナ禍で骨がもろくなっている?今から始められる対処法3つ

コロナ禍で骨がもろくなっている?今から始められる対処法3つ

医療従事者や子どもに生じたコロナ禍の骨問題

コロナ禍の運動不足や巣ごもりによる日光不足、学校の休校で給食がなくなり牛乳を飲む機会が減ったことなどが影響し、子どもの骨がもろくなっているようです。

千葉県内の整形外科医の調べによると、疲労骨折をする子どもが増えているというのです。
また、国立成育医療研究センターの発表では、コロナ患者を受け入れている病院の医療従事者を調査すると、ビタミンDの欠乏が顕著にみられたといいます。
ビタミンDは、骨を作るサポートをする大切な成分。食べものからだけでなく、日に当たることでも生成され、丈夫な骨を作ってくれます。このことから医療従事者の骨の問題が懸念されているとのことです。

コロナ禍ではさまざまな健康問題が懸念されていますが、私たちの骨は大丈夫なのでしょうか――。

骨の健康をサポートするのは女性ホルモンだった!

骨の健康をサポートするのは女性ホルモンだった!

私たちのカラダを支える骨は、幼児期から成長期にかけてどんどん作られていき、20歳ぐらいで骨量が最大になる「ピークボーンマス(PBM)」を迎えます。

この骨量は更年期まで維持されるものの、閉経後から急速に減っていきます。
どうして閉経後に骨量が減るのかというと、それは、女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)が骨を健康に保つのに大事な役割を果たしているからです。

骨は生涯にわたって同じものではなく、骨代謝を毎日繰り返しています。
破骨細胞が古くなった骨を壊し、骨芽細胞が新しく骨を作るという過程を日々繰り返し、若い人だと3年程度の間隔で骨が入れ替わっているのです。
ところが、エストロゲンが減ると骨代謝のバランスが崩れ、骨量が低下してしまうのです。

極端なダイエットで生理が止まった…は要注意

一般的に、閉経後は普通の生活をしているだけでも、骨量の低下はゆるやかに、でも確実に起こってきます。
それでも、もともとのピークボーンマスの値が高い人だと、骨量が低下してもある程度は骨の健康は保たれますが、値が低い人は要注意です。骨の最大の健康問題である、骨粗しょう症のリスクが高まります。

成長期に過度なダイエットをした、過度な運動をした(そのために生理が止まったり、不順になったりした)、若いときから華奢(きゃしゃ)でやせている、あまり運動をしない、日に当たらないようにしている…といった人は、ピークボーンマスの値が低い可能性があるので、気を付けましょう。
もし、健診などで自身の骨量を図る機会があったら、一度、自分の骨量を知っておくといいかもしれません。

「栄養」「運動」「日に当たる」の3点で骨量維持

「栄養」「運動」「日に当たる」の3点で骨量維持

残念なことに、大人になってからピークボーンマス以上に骨量を増やすことはできないとされています。
ですから、「いかに骨量を維持するか」を念頭に考えていく必要があります。

骨量の維持に必要だといわれているのは、「栄養」と「運動」、そして「日に当たること」の3点。冒頭の子どもの骨問題ではありませんが、やはりコロナ禍でカラダを動かす機会が減ったり、外に出なくなったりした分、骨量が減っている可能性は捨てきれません。

栄養面では、カルシウムとビタミンD、ビタミンKやビタミンB群、マグネシウム、タンパク質などをしっかり摂ること。運動は、「かかとの上げ下げ」や「ウォーキング」など、骨に刺激がかかるものがよいとされています。
ビタミンDは食事で摂るよりも、太陽を浴びて皮膚から作るほうが効率よいようです。
この3点を意識しながら、骨量の維持に努めていきたいものです。

参考

国立成育医療研究センター コロナ禍で医療従事者のビタミンD欠乏が顕著
https://www.ncchd.go.jp/press/2022/220311.html

「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン 2015年版」
http://www.josteo.com/ja/guideline/doc/15_1.pdf

骨粗しょう症まるわかりガイド 監修・加藤義治

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May 24 2022

医療ライター・山内

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