漢方ビュー通信

土用の丑の日の「土用」の意味を知って健康生活を

土用の丑の日の「土用」の意味を知って健康生活を

土用の丑の日といえば「ウナギのかば焼き」だけど…

今年の土用の丑の日は、約1カ月後の7月23日(土曜日)だそう。
この日は、「ウナギのかば焼きを食べて精を付ける」というイメージがあり、鰻屋さんは大繁盛、スーパーにもウナギのかば焼きが並びますが、じつはこれは〝後付けの話〟ともいわれています。

江戸時代、あまり人気がなかったウナギを食べてもらうための口実、PRだったという説もあり、必ずしも「精の付く食べものを摂る日」ではなさそう。
むしろ、丑の日に限らず土用は「胃腸を大事にした方がよい時期」のようなのです。

土用は「土曜」ではなく、季節の変わり目のこと

じつは、この土用という言葉は曜日を表す「土曜」ではなく、東洋医学の考え方に由来しています。
東洋では、かつて季節や方角、時間など自然界のあるあらゆるものと、私たち人間のカラダの働きや臓器を結びつけて、健康管理を行っていました。

土用というのは、五行学説で記されている「木、火、土、金、水」のひとつで、季節との結びつきでいうと、春から夏、夏から秋、秋から冬、冬から春といった季節の間、“季節の変わり目”を指します。つまり、土用は年4回あるわけです。

ちゃんと時期も決まっていて、立夏(今年は5月5日)、立秋(同8月7日)、立冬(同11月7日)、立春(同2月4日)の前、約18日間ずつになります。したがって、7月の下旬~8月の上旬までが次の土用にあたります。

土用は「土曜」ではなく、季節の変わり目のこと

次の季節に向けてカラダを整えるのが「土用」

土用の時期は、季節の移り変わりによるさまざまな変化に対応すべく、また次の季節に備えるべく、体調を整える時期でもあるとされています。
ですから、この時期は「無理をしない」のが一番。
新しい季節に備えてエネルギーを蓄えることも必要ですが、ウナギや焼き肉といった、精の付く食べものばかり摂っていると胃腸に多大な負担がかかり、かえって消化機能を低下させてしまうことも。

土は、食べものを消化して、エネルギーなどを作り出す機能を持つ臓器「(ひ)※現代医学の脾臓とは異なる」や「胃」とも関連しているので、むしろ、胃腸に優しい消化のよい食べものを適度(腹八分目)に摂って、カラダを万全な状態にしていくことを心がけたほうがいいのです。

日常生活でもストレスを溜めない生活を心がけて

日常生活でもストレスを溜めない生活を心がけて

さらに、土用にあたる時期は朝晩や日々の気温の変化が大きいことから、自律神経の調子も乱れがちに。自律神経の働きは胃腸の機能とも関係します。
ですから、より一層、胃腸の健康に注意を払わなければなりません。

例えば、旬の野菜(キュウリやトマト、ピーマン、ナス、オクラなど)や魚(カツオなど)などの食材を中心に摂り、冷たい食べものや飲みものはできるだけ控える、といったことが大事になってきます。
また、この時期は日常生活においても、できるだけストレスがかからないように過ごしたほうがよさそうです。
お風呂に入ってリラックスタイムをつくったり、趣味でリフレッシュしたり、ウォーキングなどで自然を感じたりなど、自分が気持ちいいと感じるような時間を作って過ごしてみるといいかもしれません。

ご存じですか?

医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)

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https://www.kampo-view.com/clinic
Jun 17 2022

医療ライター・山内

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