漢方ビュー通信

意外と知られていない紫外線の影響=紫外線疲労ってなに?

意外と知られていない紫外線の影響=紫外線疲労ってなに?

炎天下の中、外を歩いていると、だんだん体力を吸い取られていき、ダルさを感じることがあると思います。その原因、じつは「紫外線」かもしれません──。
一般的に、日焼けやシミの予防として紫外線対策をする人は多いと思いますが、「疲労の対策」として考えている人は少ないかもしれません。

この時期に全身の疲労感を感じたり、なかなか疲れが取れなかったりするような人は、もしかすると紫外線対策に無頓着になっているようなタイプの人かもしれません。

そこで、今回は薬剤師である筆者が、紫外線が及ぼす疲労やその他の症状について解説します。

目から入ってくる紫外線の影響とは

目から入ってくる紫外線の影響とは

紫外線の影響は、肌に対するものばかりが注目されがちですが、目から入ってくる刺激に関しても気を付けなければなりません。
なぜなら、目は、常に外界にさらされている部分なので直接ダメージを受けやすい部位。長時間、炎天下の中で過ごしていると、目が充血したり、痛みを感じたりするような経験をしたことのある人もいると思います。
また、レンズの役割をしている水晶体は、新陳代謝の機能がないので、紫外線によって傷がついてしまうと水晶体が濁り、白内障につながる恐れも…。

目に紫外線が入ると、それが脳へ伝わり、活性酸素が大量に分泌されます。すると、脳の神経細胞が酸化ストレスを受け、自律神経を乱し、全身的な疲労感を引き起こしてしまうのです。
同時に、防御反応として、脳から体内のメラニン色素を増やすよう働きかけるため、目からの紫外線は、日焼けの原因にもなってしまいます。

紫外線による不調には漢方薬がおすすめ

漢方薬

紫外線によるカラダへの影響は、日焼け以外に全身的な疲労感、自律神経の乱れ、乾燥肌、免疫の低下、目の充血などさまざまです。
そのため、真夏の強い紫外線はなるべく長時間浴びないように、サングラスや日焼け止め、帽子、カーディガン、日傘などで防ぐことが大事です。

ですが、それでもケアしきれないことがあるかもしれません。
そのような時に、頼りになるのが漢方薬です。

例えば、全身的な疲労感を感じた時には「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」や「人参養栄湯(にんじんようえいとう)」、自律神経の乱れなどによる不調には「加味逍遙散(かみしょうようさん)」や「加味帰脾湯(かみきひとう)」、乾燥肌によるかゆみには「当帰飲子(とうきいんし)」などがあり、さまざまなケースに対応できると思います。

特に昨今では、ラニーニャ現象やチベット高気圧などの影響で年々過ごしにくくなっています。
少しでも快適に過ごすことができるように、上記のような不調は早いうちに解決していきたいですね。
ただし、漢方薬にはたくさんの種類があるので、もし服用を考えているようなら、事前に漢方に詳しい医師や薬剤師に相談し、自分の体質に合ったものを試すとよいでしょう。

ご存じですか?

医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)

こちらも参考に!

漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介

https://www.kampo-view.com/clinic
Jul 8 2022

薬剤師・大久保 愛

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