気になる低血糖の症状と女性ホルモンとの関係
血糖とは血液中に含まれるブドウ糖のこと
夕方になってちょっと疲れたり、頭が働かなくなったりしたとき──、「低血糖かも」と思って、チョコなどの甘いものを食べている人はけっこう多いのではないでしょうか。そこで今回は、この低血糖についてみていきます。
血糖とは、〝血液中に含まれるブドウ糖〟のこと。その量を表したものが健康診断などで測る血糖値です。
健診では空腹時(10時間以上絶食)の血糖値を測り、基準値は70~100mg/dL。100~125mg/dLだと特定保健指導が、126mg/dL以上だと医療機関への受診が勧められています。
「HbA1c」と「75g経口ブドウ糖負荷試験」
そして、もうひとつの血糖値の検査が、「HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)」です。
HbA1cは、赤血球の中のヘモグロビンのうち、ブドウ糖がくっついたヘモグロビン(グリコヘモグロビン)の割合を示したもので、約1~2カ月前の血糖値の平均を表します。
4.3~5.8%が基準値で、HbA1cが5.6~6.4%で特定保健指導、6.5%以上で医療機関の受診が勧められています。
このほか、糖尿病と診断する際には、「75g経口ブドウ糖負荷試験(空腹時に75gのブドウ糖入りのソーダ水を飲み、血糖値の上がり具合をみる検査)」が行われます。
低血糖で起こる症状は?重篤だと意識喪失も
低血糖は、一般に血糖値が70mg/dLより低いことをいいます。
通常、私たちのカラダは、常にブドウ糖が一定のレベルにあるように調整されています。ところが、何らかのきっかけで血糖値が下がることがあり、それが低血糖といわれる状態です。
血糖値が下がると脳が糖不足に陥るため、さまざまな症状が出てきます。
代表的な症状は、発汗、脈が速くなる、手が震える、顔色が青白くなる、不安などです。さらに低血糖が進めば、頭痛や目のかすみ、集中力の低下、生あくびなどの症状が表れ、それ以上になると、けいれんや昏睡などが生じ、意識を失うこともあります。
低血糖のリスクは痩せている女性という報告も
血液中にあるブドウ糖を細胞に取り込む際に必要となるのが、インスリンという膵臓から出るホルモンです。このインスリンが何らかの理由で大量に出て、血糖値を急速に下げてしまうと、低血糖が生じます。
低血糖は、糖尿病の薬物治療をしている人に生じやすい代表的な副作用で、健康な人であれば絶食を続けても、低血糖を起こすことはないと言われています。
その一方で、最近になってこんな気になるデータも出ています。
糖尿病がない約70万人を調べた報告によると、女性、やせている人、喫煙者などは健康な人でも低血糖になりやすいことがわかったのです。
この調査では関連が指摘されていませんが、女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)はインスリンの効きを高め、プロゲステロン(黄体ホルモン)は、効きを悪くするとされています。さらに女性の場合、PMS(月経前症候群)や月経困難症で生じる過食が、血糖値に影響が及ぶ可能性も考えられています。
参考
国立国際医療研究センター 糖尿病情報センター
https://dmic.ncgm.go.jp/
一般社団法人日本スポーツ栄養協会 スポーツ栄養Web
https://sndj-web.jp/news/001508.php
糖尿病と女性のライフサポートネットワーク
https://dm-net.co.jp/dlsnw/information/001/001/02.php
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(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)
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https://www.kampo-view.com/clinic医療ライター・山内