「ストレス」について正しく知って、つきあう方法
ストレスとは「外部からの刺激に対する反応」
「今日のプレゼン、めちゃくちゃストレス…」「ストレス溜まってるなぁ…」などなど、日常で何気なく使っている、“ストレス”という言葉。
あらためてどんな意味なのか、考えてみたいと思います。
ストレスとは、医学的には「外部からの刺激によって起こる生体の変化のこと」で、正確には「ストレス反応」といいます。
例えば、空気の入った風船は指で押すと凹み、指を離すともとに戻りますが、これと同じように、カラダは外部からのさまざまな刺激に対して反応し、もとの状態に戻ろうとします。
これがストレス反応です。
ストレスの原因・反応は人それぞれ
カラダに起こるストレス反応に対して、これを引き起こす嫌な刺激を「ストレス因子(ストレッサー)」といいます。ストレス因子には、暑さや寒さなどの環境のほか、離婚、身内の病気や死といったもの、対人関係などがあります。
ストレス因子が多かったり強かったりすると、ストレス反応も大きくなり、心身は緊張して、外部刺激に備えるようになります。一方で、こうした反応は個人差が大きく、同じ刺激でも苦痛に感じる人もいれば、なんとも感じない人もいます。
ストレスを放っておくのはキケン
外部の刺激に対応しきれず、心身の緊張状態が続くのはよくありません。
食欲がなくなる、眠れなくなる、疲れがとれなくなるなど、さまざまな症状が現れてくるからです。これはまさにココロとカラダのSOSサイン。これを放置しておくと、ストレス性の病気になってしまう恐れがあります。
また、こうした直接的な問題だけではありません。ストレスを溜めたままにしておくと、飲みすぎや食べすぎにつながったり、周りの人にあたったり、逆に憂うつな気分のせいで外出しなくなったりするなど、行動に問題が生じかねないからです。
ストレスを乗り切るためのポイント
いずれにせよ、ストレスを感じたら早めに対処が必要です。
しっかり休息をとって、ココロとカラダの負荷を減らしてあげましょう。
厚生労働省では、セルフケアとして以下のストレス対策を紹介しています。
・「ゆっくりと腹式呼吸を繰り返す」
・「今の気持ちを書いてみる」
・「失敗しても笑ってみる」
・「なりたい自分に目を向ける」
・「軽く体を動かす」
・「好きな音楽を聴いたり、歌う」
もちろん、こうした対策をとっても症状が改善しない場合は、医療機関で相談を。
ストレス絡みの不調、病気に対しては、抗うつ薬や抗不安薬、睡眠薬などの西洋薬で対処することもありますが、漢方薬を用いることも少なくありません。
なぜなら、漢方薬には複数の成分が含まれているので、多彩な症状にアプローチできますし、その人の体質や症状によって使い分けすることもできるからです。
処方されるものの一例は、「抑肝散(よくかんさん)」や「黄連解毒湯(おうれんげどくとう)」、「柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)」「加味帰脾湯(かみきひとう)」、「大柴胡湯(だいさいことう)」など。
医師や薬剤師に相談の上、自身に合ったものを選んでもらうとよいでしょう。
参考
厚生労働省 みんなのメンタルヘルス
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/stress/self/index.html
ご存じですか?
医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)
こちらも参考に!
漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介
https://www.kampo-view.com/clinic医療ライター・山内