人前であがってしまう人、ぜひ参考に!「あがり症」とは
人前での失敗などがきっかけで起こる現象
人前に出ると声が震える、手や足が震える、頭が真っ白になって覚えていたことをすべて忘れる…。
こんな経験を持つ人もいるかと思います。
一般的に、プレゼンの発表や、歓送迎会や冠婚葬祭でのスピーチなど、緊張する場面で生じる、このように“あがってしまう”のはココロとカラダの反応です。
そして、こうしたあがるという反応のなかで、社会生活や日常生活に支障が出るほどの状態になったものが「あがり症」です。
人前で発表したときに失敗した経験がある、あるいはその失敗を周りから指摘されたといったことがきっかけで、あがるようになるといわれています。
ほかにも、多感な時期である思春期はこうしたきっかけがなくても、あがってしまう経験をすることがあるようです。
あがり症は「社交不安障害」のひとつ
誰でも不安が生じたり緊張したりする場面があれば、心臓がドキドキします。
それはカラダの反応としてはごく自然なものです。ですが、それが過度になって日常生活に支障をきたすようになってしまうと問題です。
実際、あがり症は不安障害の中の、「社交不安障害」に分類されています。
あがるという反応をもたらす原因は、自律神経のひとつ、交感神経の過度な緊張によるものです。
自律神経はよくアクセルとブレーキに例えられます。交感神経がアクセル、副交感神経がブレーキです。
ストレスが過度にかかったり、何か集中して物事に取り組んだりするときには交感神経が優位になり、活動性を下げて回復をはかったり、リラックスしたりするときには副交感神経が優位になります。
原因となる交感神経の緊張を解きほぐす方法
交感神経が優位になると、心拍数が増えて血圧が上がります。ドキドキするという状態はそこからきます。また顔が赤くなったり、手足が震えたりするのもこれらの影響のようです。
自律神経はなかなか自分でコントロールできないことから、わかっていても緊張する場面になると、あがってしまうのです。
逆に、この自律神経を味方に付けることで、克服が可能ともいわれています。
そのやり方のひとつに「自律訓練法」というものがあります。自己暗示によってココロとカラダの緊張を解きほぐしていく方法です。
ウェブや書籍などで紹介されているので、気になる人は試してみてもいいかもしれません。
あがり症に漢方?
あがり症はメンタルヘルスでいうと不安神経症の部類に入りますが、できればセルフケア、日々の生活の中で改善していきたいもの。先に挙げた自律訓練法もそのひとつです。
さらに、完璧を目指さず「自分は大丈夫」「失敗してもいい」」というように、気持ちに余裕やゆとりを持つことが大事。あとは発声練習をしたり、人前で話すことに慣れていったりすることで、少しずつ克服できるようです。
このほか、社会不安障害では漢方薬も使われています。「半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)」や「柴朴湯(さいぼくとう)」などです。もし、あがり症で長く悩んでいたり、気になるようなら、一度漢方に詳しい医師や薬剤師に相談してみてはいかがでしょうか。
参考
一般社団法人あがり症克服協会
https://agarishow.or.jp/about-agarishow/
厚生労働省 ストレスとこころ
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/stress/know/know_02.html
厚生労働省 自律訓練法
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-024.html
漢方スクエア 私の漢方診察日記
https://www.kampo-s.jp/web_magazine/back_number/292/rensai-292.htm
ご存じですか?
医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)
こちらも参考に!
漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介
https://www.kampo-view.com/clinic医療ライター・山内