漢方ビュー通信

ダイエット中の人は知っておきたい、“時間”の重要性

ダイエット中の人は知っておきたい、“時間”の重要性

そんなに食べていないのに太ってしまう…
我慢ばかりのダイエットでうんざりしている…
コントロールできない食欲に悩むことが多い…
など、ダイエットにまつわる悩みって尽きないですよね。
もちろん強い意思(精神論)で克服しなければならないこともありますが、生活習慣や栄養状態によっても影響を受けることも事実です。

そこで、今回は薬剤である筆者が、日々の生活のリズムとダイエットの関係について解説します。

ダイエット中に頼りになる遺伝子「BMAL1」とは

じつは、ダイエットの最中に、頼りになる遺伝子があります。
それは、「BMAL1(ビーマルワン)」と呼ばれる体内時計遺伝子のひとつで、初めて聞いた人も多いかもしれません。
BMAL1は、体脂肪がエネルギーとして分解されるのを抑え、カラダに蓄えようとするタンパク質で、時間帯によって増加したり、減少したりしています。
特に午後2時頃は、BMAL1の量がもっとも減少するといわれているので、脂質の多い食事を摂っても太りにくいといえます。どうしてもこってりした食事を摂りたい時は、遅めのランチやおやつの時間がベターでしょう。
また、起床してから14時間後(午後9時頃)までに夕食を済ませると、BMAL1がMAX時の20%程度の量になる時間帯なので、太りにくくなることが考えられます。
つまり、なるべく午後10時以降は、糖質やボリュームの多い食事は控えるようにするのがベターです。

さらに、腸内環境も時間の影響を受けやすく、例えば、朝の時間帯が腸内細菌叢に良い影響を与えるタイミングとされています。
そのため、朝食には食物繊維や発酵食品を取り入れるようにすると、便秘や膨満感が気になっている人には有効です。

このように、食事内容だけではなく、食事を摂るタイミングも脂肪を蓄積するかどうかに大きく関わっていることがわかります。

ダイエット中に頼りになる遺伝子「BMAL1」とは

ダイエット中は睡眠時間にも気をつけて

じつは、睡眠時間も、ダイエットに関係しています。
睡眠時間が短くなると、食欲を抑制するホルモンである「レプチン」が減少してしまいます。そして、逆に食欲を増進するホルモンである「グレリン」が増加します。

つまり、睡眠時間が短いと過食傾向となるので、しっかりと睡眠時間を確保することが大事なのです。ちなみに、睡眠時間を8時間程度取ることで、食欲のコントロールがしやすくなるとされています。

ダイエットのサポート役に…

原因不明の微熱には漢方がオススメ

一般的に、ダイエットを実践する時は、低カロリーや高タンパク質、低糖質などの食事制限、また運動などでコントロールすることが多いと思いますが、「時間」や「睡眠」などの要素も味方にして、少しでも効率的に成功できたらいいですよね。

また、漢方薬でもサポートすることができます。
例えば、代謝が低く、ぽちゃぽちゃと水太りしやすい人には「防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)」、がっちりとした太り方で便秘気味な人には「防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)」などがあります。いずれも、体型や体質に合わせて処方される漢方薬が異なりますので、気になる人は漢方に詳しい医師や薬剤師に相談して、活用していくことがおすすめです。

適正な骨格筋率や脂肪の量などを年齢に応じてキープするためのダイエットは必要かもしれません。継続することも重要なので、無理なく続けられる健康的なダイエットを目指していきましょうね。

ご存じですか?

医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)

こちらも参考に!

漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介

https://www.kampo-view.com/clinic
Dec 28 2022

薬剤師・大久保 愛

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