漢方ビュー通信

寒い冬にかかせない鍋が漢方的にも優れている理由

寒い冬にかかせない鍋が漢方的にも優れている理由

手間がかからずおいしくできるのがうれしい

冬に食べたい代表的な料理といえば、「」ではないでしょうか。
おでん、寄せ鍋、すき焼き、しゃぶしゃぶにちゃんこの他、キムチ鍋や豆乳鍋も定番になってきていますし、最近ではトマト鍋やカレー鍋、トムヤムクン風鍋など、バラエティ豊かになってきています。

鍋の良さはなんといっても、手間暇がほとんどかからないということ。
好きな具材(野菜、キノコ類、肉、魚介類、豆腐など)を切って鍋に投入するだけ。あとは火にかけてゆっくり待てば、温かい鍋料理が完成します。
片づけがラクというのも、うれしいですよね。

じつはこの鍋料理、漢方的、あるいは健康面からみてもさまざまな点ですぐれものなのです。

香辛料たっぷり代表的な中国の「火鍋」

香辛料たっぷり代表的な中国の「火鍋」

中国の代表的な鍋料理といえば、火鍋です。中国では古くからずっと食べ続けられてきた鍋で、「火に掛けて煮込みながら食べる」というのが名前の由来だそう。
鍋が2つに仕切られていて、片方は赤くて辛いのが特徴の麻辣スープ、片方は白くてマイルドな白湯スープが入っているのが最大の特徴。ここにさまざまな具材を投入して煮込んでいくわけですが、スープに欠かせないのが香辛料です。

火鍋には、トウガラシやサンショウ、ショウガ、ニンニクなどさまざまな香辛料が入っています。食べているとカラダがポカポカと温まってくるのは、鍋の熱さに加え、こうした香辛料の作用によるところも大きいです。
火鍋のブームは少し前から続いていますが、「薬膳火鍋」という名前で展開している飲食店やお取り寄せもあるようなので、気になる方は試してみてもいいかもしれません。

漢方の生薬の一部はスパイスやハーブ

火鍋に入っている香辛料のように、漢方薬の材料となる生薬にはスパイスやハーブとして料理に使われているものが少なくありません。
代表的なものを挙げると、シナモンは桂皮(けいひ)ですし、ニンニクは大蒜(たいさん)、クローブは丁子(ちょうじ)、ショウガは生姜(しょうきょう)乾姜(かんきょう)、トウガラシは唐辛子または蕃椒(ばんしょう)、コショウは胡椒という生薬名です。
ほかにも、ミカンの皮は陳皮(ちんぴ)、フェンネルは茴香(ういきょう)、大葉(しそ)は蘇葉(そよう)、ナツメは大棗(たいそう)などといったものがあります。

漢方の生薬の一部はスパイスやハーブ

漢方はまさに「医食同源」お腹から温まる

病気を治すことと日々の食事は、いずれも生命を養い、健康を保つためには欠かせないもので、源は同じ。こうした「医食同源」の考え方は、まさに漢方に共通するところです。
季節や気候に合わせた食(習慣)によってカラダを健康に保ち、病を遠ざけることも重要なのです。
冷えは万病の元。寒い冬は温かいもの、カラダを温めるものをしっかり食べたり飲んだりして、お腹から冷えを取り去ることが大事です。
とくにコショウやサンショウ、シナモン、ショウガ、トウガラシはカラダを温める香辛料といわれています。こうしたカラダを温めるスパイスやハーブを使った鍋を食べて、寒い冬を乗り越えましょう。

ご存じですか?

医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)

こちらも参考に!

漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介

https://www.kampo-view.com/clinic
Jan 26 2023

医療ライター・山内

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