漢方ビュー通信

【続】 男性更年期調査、「言われて傷ついた言葉」は?

【続】 男性更年期調査、「言われて傷ついた言葉」は?

今回は「症状」や「受診の問題」などを紹介

女性と比べて認知度が低い「男性更年期」。

男性更年期であることを実感するも、「認めたくない」人が多いことや、「人に言いたくない」と一人で悩んでいる状況にあることが、昨年11月に実施したアンケート調査で明らかになりました(詳しくは前回の漢方ビュー通信をご覧ください)。

このアンケート調査(※)は、株式会社ツムラが20~60代の男性を対象に実施。全国の20~60代の男性600人が回答しています。なお、このうち更年期の症状を自覚する40~60代の男性は100人ほどいました。
今回は、男性更年期で感じている症状や、受診の問題、カミングアウトするかどうかなどについての回答を紹介します。
(※調査機関:楽天インサイト)

もっとも多い自覚症状は「疲れやすい」

もっとも多い自覚症状は「疲れやすい」

皆さんは男性更年期の症状というと、どのようなものをイメージするしょうか。もしかしたら、「イライラ」や「疲れ」といったものが挙がるかもしれません。
実際は、男性更年期を自覚している人へのアンケート調査では、「疲れやすい」がもっとも多くて66.0%、次が「頻尿」(41.0%)、3番目が「不眠」(40.0%)で、どの年代においても「疲れやすい」と感じる人が多いことがわかりました。
そのほかには、男性ホルモンの低下でイメージするような、「性欲の低下」(31.0%)や「ED(勃起障害・勃起不全)」(24.0%)もありました。

こうした症状に対し、どんな対応をしているのかを聞いたところ、「運動習慣を取り入れた」と「我慢する/なにもしない」が同じ34.0%で、「病院に行った」は21.0%でした。

言われて傷ついた言葉・励まされた言葉

言われて傷ついた言葉としては、以下のようなものがありました。

まず症状に関しては、「イライラしている」「何でも更年期だと言われる」「体調管理ができていない」「注意力散漫」「怒りっぽくなった」「(異常な発汗を見られて)気持ち悪い」といったものが挙がりました。
年齢に関することでは、「年とったな」「もうおじいちゃんだ」「もうお年だから」など。
そのほか、「トイレが近い」など泌尿器の症状を指摘されるケースもありました。

反対に、「誰でもなるものだ」「大なり小なりみんな通る道だから、あまり深く考えない方が良いと思うよ」「男にも更年期があって、そういう症状が出ることもある」「みんな一緒」などの言葉で励まされたといいます。

更年期は人生のハーフタイムと受け止めよう

男性更年期の実態、アンケート調査でいろいろと見えてきたものがあります。男性更年期に詳しい泌尿器科医、堀江重郎先生からのアドバイスです。

「更年期の男性は、若いときのようなエネルギーがなくなった、周囲から十分に評価されていない、仕事にやりがいが感じられないなど、ネガティブな感情を抱きがちです。そんなネガティブな感情にとらわれるのではなく、人生のハーフタイムと受け止め、仕事や家族、プライベートについて考え、生きがいを見直し、体調を整えることを優先しましょう」

「男性の更年期は症状を我慢してもよくなりません。更年期症状をはじめ、心身の不調などの症状が現れた場合は、泌尿器科医を受診してください。泌尿器科の“泌”は分泌、すなわちホルモンのこと。泌尿器科は男性の守護神です。日本メンズヘルス医学会では全国の専門医を紹介しています。お気軽にご相談ください」

参照

ツムラ「男性の更年期に関するイメージと実態調査」
https://www.tsumura.co.jp/newsroom/item/20221208.pdf

ご存じですか?

医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)

こちらも参考に!

漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介

https://www.kampo-view.com/clinic
Mar 9 2023

医療ライター・山内

関連コンテンツ