漢方ビュー通信

肩こり、首こりの改善に役立つ漢方薬

肩こり、首こりの改善に役立つ漢方薬

人は緊張すると、首や肩、手などに力が入ったり、変な汗をかいたり、歯ぎしりや食いしばりが悪化したり、寝つきが悪くなったりします。また、自分はストレスを感じにくいからと自負していて、適度にカラダの力を抜くことが苦手な人も意外と多いと思います。
ストレスはじわじわと私たちのココロとカラダを蝕んでいき、気が付いた時には複数の不調が表面化していて、何から手を付けたらよいのかわからなくなっていることも…。

そこで、今回は薬剤師である筆者が、この時期に悪化しやすい肩こり首こりの対策について解説します。

春は肩こり、首こりを生じやすい季節

春は肩こり、首こりを生じやすい季節

肩こりや首こりは、日ごろの姿勢やカバンを持つときや座るときの癖、寝具、運動習慣など“外側”の問題によるものと、自律神経の乱れや血圧、歯の病気など“内側”の問題によるもの、大きく分けて2種類の原因があります。

どれも生活習慣に関わるものですが、この時期に大きく影響を及ぼすのが“ストレス”です。
春は、新しい環境に適応するためについ頑張りすぎてしまい、ストレスを生じやすい季節です。
ストレスで自律神経が乱れると、相反する働きを持つ交感神経と副交感神経のバランスが乱れ、交感神経が過度に働くことになります。その結果、筋肉が緊張したり、血流が低下したりしてしまいます。
さらに現代人は、パソコンやスマホの普及で前かがみになって作業する機会が多い環境にいます。そのため、重い頭を肩や首が支える時間が増え、こりやすくなってしまうのです。
生活環境が一変しやすいことも重なって、春は肩こり、首こりを生じやすい時期といえるでしょう。

“こり”の改善には漢方薬

漢方薬

一言で肩や首のこりといっても、その原因は前述したように複数存在し、その原因によって対応策も変わってきます。そのため、慢性的なこりを緩和することは至難の業です。
ですが、そんなときに非常に役立つのが、漢方薬です。肩や首のこりがある人に役立つ漢方薬としては、葛根湯(かっこんとう)、二朮湯(にじゅつとう)、釣藤散(ちょうとうさん)、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)、加味逍遙散(かみしょうようさん)、大柴胡湯(だいさいことう)、防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)、桃核承気湯(とうかくじょうきとう)、通導散(つうどうさん)など非常にたくさんの種類があります。

また、それぞれの漢方薬には、肩や首のこり以外にも複数の効能があります。ですから、こり改善のために漢方薬を服用すると、それ以外の不調の改善にも期待ができます。
慢性的なこりでお困りの人は、漢方に詳しい医師や薬剤師に相談して、普段なんとなく感じる不調も同時に改善してみてはいかがでしょうか。

ご存じですか?

医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)

こちらも参考に!

漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介

https://www.kampo-view.com/clinic
Mar 14 2023

薬剤師・大久保 愛

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