漢方ビュー通信

気になるにおい問題のひとつ、わきがの原因と対策

気になるにおい問題のひとつ、わきがの原因と対策

ウイルスや細菌以外にマスクが防いでいたも

少しずつ進んでいるウィズコロナでの生活。2023年3月13日以降、屋内外問わず「マスクをする・しない」は個人の判断に委ねられることとなりました。 実際に外出してみると、まだマスクをしている人もいれば、完全にマスクを外している人もいます。花粉症だからマスクを着けている、という人もいると思います。

ところで、マスクによって防いでいたのは、咳などによる飛沫だけではありません。においもそのひとつです。 そこで今回はにおいの問題のひとつ、「わきが」について取り上げます。

汗は無臭だが常在菌によってにおうように

わきがは、医学的には「腋臭症(えきしゅうしょう)」という病気のひとつです。 その名のとおり、主にわきのにおいが強い状態をいいます。 とはいえ、わきから出る分泌物(汗)自身がにおうわけではありません。汗そのものは無臭で、皮脂と混ざったあとに常在菌によって分解されることで、あの独特のツーンとしたにおいになります。

また、汗をかく汗腺には大きくアポクリン腺とエクリン腺にわけられますが、わきがはこのうちのアポクリン腺がかく汗で生じるといわれています。 わきがにおうのは、このアポクリン腺が多いためです。

においの感じ方は人によってさまざま

そして最近になってわかってきたのは、わきがは遺伝的(体質的)な要素が大きい、という点です。ABCC11という遺伝子の塩基配列の状態によって、わきがにおう・におわないが決まるというのです。

実際、両親のどちらかがわきがの人は、自身もそうなる可能性は高くなります。 自身にこの塩基配列があるかどうか見極めるひとつの方法が、「耳あか」の状態です。湿っている場合はわきがの体質、乾いていたらわきが体質ではない、とのこと。 また、洋服にできたわきの汗染みが黄色っぽい人も、やはりわきがの体質を持っているといわれます。

とはいえ、そもそもにおいとは、感じ方に個人差が大きく、同じ強さのにおいでも、「くさい」と感じる人もいれば、「平気」な人もいます。においの種類に関しても、感じ方はいろいろです。ですので、過度に気にする必要もないかもしれません。

医療機関で治療も可能。有効なセルフケアも

ちなみに、医療機関ではにおいを客観的に評価するため、ガーゼテストを行います。これは、わきにガーゼを数分間当てた後、そのガーゼを医師らが嗅いで判定するというものです。 レベル1から5まであり、3が軽度腋臭症、4が中度腋臭症、5が重度腋臭症となります。

治療は汗を押さえる注射や、手術などがあり、軽い場合はセルフケアで対応していきます。 これからの季節は汗をかく機会が増えるので、わきのにおいも強くなりがちです。こまめなケアで対応するといいかもしれません。

わき汗はこまめに拭き、必要に応じて制汗剤などを使用しましょう。脱毛も有効といいます。衣類は汗がすぐ乾くタイプのものがおすすめとのことです。 一方、にんにくやニラ、肉などを食べるとにおいが強くなるといわれていますが、今のところ科学的な根拠はないとされています。

ご存じですか?

医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)

こちらも参考に!

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https://www.kampo-view.com/clinic
May 2 2023

医療ライター・山内

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