漢方ビュー通信

夏前に解決したい!お尻のニキビと黒ずみ問題

気温も安定して割と過ごしやすい時期が続いていても安心していられません。そろそろ梅雨から夏にかけての準備も考えておかないといけません。
肌の露出が増える季節なので、新しい洋服や水着を買ったり、ダイエットのためにエステに行ったりすることもあると思います。そんなときに気になるポイントといえば、お尻のニキビや黒ずみではないでしょうか。
ふだん人に見えない部分ではありますが、コンプレックスに感じている人は多く、薬を塗っても、清潔にしていてもお尻ニキビを繰り返してしまったり、ガサガサしたり、黒ずみが濃くなってしまうケースが多いようです。

そこで今回は薬剤師である筆者が、お尻のニキビや黒ずみの原因と対策について解説します。

お尻にニキビや黒ずみができやすい理由

お尻は、常に下着に触れていたり、デスクワークが多かったりすることで摩擦刺激や通気性の悪い環境になり、女性の場合にはナプキンで湿気がこもったりすることがあります。
特に汗や皮脂の分泌が多い部分なので、そのような環境の中では、ターンオーバーが乱れやすく、角層が分厚くなり、肌がガサガサになって黒ずみ、毛穴が詰まってアクネ菌が繁殖して、ニキビができやすくなってしまうのです。

対策として、通気性を改善するためにクッションに座ったり、摩擦を軽減するためにショーツやナプキンの素材を考えたり、毛穴のつまりを解消するために皮脂や汚れを洗い流したり、保湿したりすることなどが大切なケアとなります。
さらに、睡眠やストレス、食事内容の見直しを行うことで、ホルモン分泌やターンオーバーを整えることも同時に取り組むポイントとなります。
物理的なケアだけではなく、カラダの内側から変化していくように対策していくことも忘れないようにしましょう。

お尻のニキビや黒ずみは、美容面での悩みと思いきや、特にお尻ニキビの場合、赤く腫れて痛みを感じたり、膿が生じたりしてしまっていると、生活に少なからず支障を感じることになるので、早い段階でしっかりとケアしておくことが大事です。

美肌を目指すなら“油の質”にもこだわりを

食事内容の見直しについて、少し掘り下げましょう。
ふだん、ハンバーガーやフライドポテト、ラーメン、スナック菓子などの油物を食べる習慣がついている人は要注意です。

油には、炎症を悪化させてしまう「オメガ6脂肪酸」と炎症を抑える「オメガ3脂肪酸」があり、その摂取比率が肌トラブルなどの炎症に対して影響するものとなります。残念ながら、前述した食事に多く含まれる油は、オメガ6脂肪酸となっているので、赤みや腫れ、痛みを感じるニキビに悩む人は控えめにすることが望ましいです。

また、脂質の代謝にはビタミンB2が消費されますが、ビタミンB2の不足は肌の状態を脂性に導く可能性があるため注意です。肌トラブル全般に言えますが、美肌を目指したいときには“油の質”を見直すようにしましょう。

お尻の肌トラブルには漢方薬を

漢方薬

お尻の肌トラブルには、複数の原因があると考えられますが、さまざまな対策を講じたうえで、漢方薬を試すのもひとつの手段です。
例えば、デスクワークなどで血流が悪くなっている場合のニキビには「桂枝茯苓丸加薏苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん)」、ジュクジュクと膿んでいたり赤く腫れていたりする場合には「十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)」などを使うことがあります。

夏に向けての肌のケアは、生活習慣の見直しとともに、体質に合わせた漢方薬を活用してみてもよいでしょう。その際は、かかりつけ医もしくは、漢方に詳しい医師や薬剤師に相談することをおすすめします。

ご存じですか?

医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)

こちらも参考に!

漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介

https://www.kampo-view.com/clinic
May 19 2023

薬剤師・大久保 愛

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