今すぐチェック!梅雨が苦手な人は舌に異変が起きている!?
日本は、国土の位置や四方を海に囲まれた島国といった条件が重なり、海外の国よりも四季がはっきりしていて、季節ごとの天気の特徴が現れやすいとされています。
例えば、1年の中で太陽が最も高い位置まで昇り、日の長くなるときを「夏至(げし)」といいますが、その前後は、日本の上空に停滞前線が訪れるようになるため、雨の多い日が続くようになります。これが6月頃の天気の特徴、つまり「梅雨」になります。
漢方の考え方では、このように湿度が高く、低気圧が頻繁に訪れ、落ち着かない気候が続く時期を、四季に加え五季目にあたる「長夏(ちょうか)」と表現します。この不安定な時期は、私たちにさまざまな不調を感じさせやすくなります。
そこで、今回は薬剤師である筆者が、梅雨時の不調について解説します。
梅雨時期の気候の特徴
季節が移り変わるタイミングでは、気圧や気温の変化の多い不安定な時期が生じます。
春から夏にかけても、停滞前線(梅雨前線)が日本列島を右往左往し、雨や曇りの日が多く見られる梅雨をもたらします。
また、この時期は他の季節と違って、夏至が重なるため、平均気温が高くなる傾向にあります。そのため、6月は天気が不安定になりやすく、高温多湿で低気圧が発達しやすくなります。
梅雨時期に起きるさまざまな不調
通常、暑さを感じると、私たちのカラダは体温調節のために汗をかくように働きます。これは、汗が蒸発することでカラダを冷ます目的があるからです。
ところが、梅雨時期の高温多湿の環境下では、汗をかいても蒸発しづらく体温調整が難しくなります。
また、夏が近づくにつれ気温は高くなっていきますが、6月時点でのカラダはまだ暑さに慣れていなく、熱中症が増える時期ともいわれています。
さらに、気圧の変化も激しくなりますが、これもカラダに影響を与えます。
私たちのカラダには、気圧の変化を察知するセンサーが耳の中(内耳)にあるとされています。そして、そのセンサーが反応すると、自律神経に影響し、片頭痛やめまい、耳鳴り、首や肩のこり、古傷の痛みや神経痛、咳症状、消化器系統の不調、うつっぽくなるなどの不調を感じることがあります。
季節性の不調には漢方薬がおすすめ
漢方医学では、カラダの状態を把握する際に、舌の状態を診ることがあります。
例えば、梅雨の時期に体調不良を起こしやすい人の特徴として、舌苔(ぜったい)というコケのようなものが分厚くついていたり、舌の両脇に歯形がついていたり、むくんで見えたりすることがあります。
このような時は、水分代謝が悪く、高温多湿の梅雨の気候によるダメージを受けやすい状態であると考えられます。
そこで、よく用いられる漢方薬として、次のような処方があります。
関節の痛みやむくみが気になる時には「防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)」、水分摂取をしているのに尿があまり出なくむくんでいたり、吐き気などがある時には「五苓散(ごれいさん)」、胃腸が弱っていて、頭痛やめまいを感じるときには「半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)」などです。
梅雨の時期の不調が多岐にわたるように、漢方薬の種類もたくさん存在します。梅雨の不調に悩んでいる人は、漢方に詳しい医師や薬剤師に相談して漢方薬を服用してみてはいかがでしょうか。
ご存じですか?
医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)
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https://www.kampo-view.com/clinic薬剤師・大久保 愛