漢方ビュー通信

どれくらい摂っている?日本人の塩分過剰摂取とその問題

食塩摂取量は1日あたり7グラム未満に

カラダにとって大事なミネラルのひとつである、ナトリウム。そう、です。
摂り過ぎはカラダに良くないことは皆さん重々承知でしょうが、では、どれくらいが摂取の目安になっているかご存じでしょうか。

厚生労働省が、「国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針」として行っている『健康日本21』では、さまざまなものについて数値目標を立てています。
そのひとつが塩分摂取で、来年度からはじまる『健康日本21(第三次)』によると、食塩摂取の量は1日あたり7グラム未満に減らすことなどを目指します。

日本人の食塩摂取量は平均10.1グラム

なお、この目標は第二次(2013年度~2023年度)では8グラムだったので、第三次だと1グラム減ったことになります。
では実際、私たちはどれくらいの塩分を摂っているのでしょうか。

2019年の食塩摂取量は平均10.1グラム、男性が10.9グラム、女性が9.3グラムでした(2019年「国民健康・栄養調査」の結果から)。
さらに、同調査では塩分摂取について聞いていますが、男女とも「関心はあるが、改善するつもりはない」と回答している割合がもっとも多く、2~3割でした。
ちなみに、世界保健機関(WHO)は成人の食塩摂取量として1日あたり5グラム未満を推奨していますから、日本人はどれだけ塩分を多く摂っているかが、わかります。

塩分の過剰摂取がリスクになる病気は多い

「健康日本 21(第三次)推進のための説明資料」には、塩分の過剰摂取による害が指摘されています。
改めて言うまでもないのですが、世界195カ国の感染症以外の病気による死亡・障害調整生命年の研究結果では、世界では全粒穀類の摂取不足が最も影響が大きい食事因子であるのに対し、日本を含む東アジアでは、ナトリウムの多量摂取が最大の食事因子となっています。

実際、塩分摂取がリスクになる病気には、高血圧、腎臓病、心臓病、脳卒中、骨粗鬆症、胃がん……とさまざまなものがあります。

薬味や香辛料、酸味を効かせておいしく減塩

一度なじんだ習慣はなかなか変えられません。年齢を重ねるとなおさらです。
若いときに塩分を摂り過ぎない生活を始めることが、これからの人生を健康的に過ごすためには大事です。
減塩のポイントについてはいろいろなサイトで紹介されています。
例えば「全国健康保険協会」サイトでは以下のような内容が載っています。一部紹介します。

・薬味や香辛料を効かせる
・酸味を効かせる
・減塩しょうゆ/減塩みそを使う
※腎臓などが悪い人の場合は、減塩の商品がかえってカラダに悪い作用を及ぼすこともあるので、医師や管理栄養士などに必ず相談してください。

ちなみに、岩塩なども塩なのでナトリウムを含みます。摂り過ぎに注意です。また、パンなどの食材にも塩分が多く入っているので、日常的によく食べるものについては、塩分含有量などを調べておくといいかもしれません。

参照

令和元年「国民健康・栄養調査」の結果
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000687163.pdf

健康日本 21(第三次)推進のための説明資料
https://www.mhlw.go.jp/content/001102731.pdf

全国健康保険協会
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g4/cat450/sb4501/p003/

ご存じですか?

医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)

こちらも参考に!

漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介

https://www.kampo-view.com/clinic
Jun 13 2023

医療ライター・山内

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